梟首

待ってましたっ！ 梟首刑、ふっかーつ！

１　犯罪史（はんざいし）に残（のこ）る凶悪（きょうあく）事件（じけん）多発（たはつ）――2020年（ねん）夏（なつ）――

　この年（とし）の夏（なつ）は、とにかく何（なに）かが狂（くる）っていたよね？

　数日置（すうじつお）きに凶悪（きょうあく）事件（じけん）が発生（はっせい）して、気分（きぶん）が落（お）ち込（こ）んだものだよ。

　世論（よろん）が、刑罰（けいばつ）の厳罰化（げんばつか）に向（む）かい、法務省（ほうむしょう）の法制（ほうせい）審議会（しんぎかい）が刑法（けいほう）の刑罰（けいばつ）厳罰化（げんばつか）に向（む）けて舵（かじ）を切（き）り、また、憲法（けんぽう）改正（かいせい）を目論（もくろ）む与党（よとう）議員（ぎいん）たちが、刑罰（けいばつ）の厳罰化（げんばつか）に関連（かんれん）する憲法（けんぽう）一部（いちぶ）改正案（かいせいあん）の検討（けんとう）に入（はい）ったのも、この頃（ころ）だったよね？

　果（は）たして、刑（けい）の厳罰化（げんばつか）はスムーズに進（すす）み、しかも四年後（よねんご）の2024年（にせんにじゅうよねん）には、四年（よねん）に一度（いちど）のうるう年（どし）に便乗（びんじょう）したわけでもないだろうけれど、まるで拡散（かくさん）する種（たね）のように、憲法（けんぽう）改正（かいせい）国民（こくみん）投票（とうひょう）にまでしっかりちゃっかり漕（こ）ぎ着（つ）けやがって、８月（がつ）には日本（にほん）国（こく）憲法（けんぽう）の一部（いちぶ）改正（かいせい）が成立（せいりつ）しちゃった。

　日本（にほん）国（こく）憲法（けんぽう）制定（せいてい）以来（いらい）、最高（さいこう）のお祭（まつ）り騒（さわ）ぎ🎎　調子（ちょうし）に乗（の）って、本命（ほんめい）の『憲法（けんぽう）全面（ぜんめん）改正（かいせい）』まで流（なが）されなきゃ良（い）いけれど。

　発端（ほったん）の2020年（ねん）がコロナウィルスで大（おお）わらわの年（とし）であったことから、この改憲（かいけん）は『８月（がつ）コロナ革命（かくめい）』と名付（なづ）けられることに☆

　なお、これに付随（ふずい）して、かねてより導入（どうにゅう）が叫（さけ）ばれていた『保安処分（ほあんしょぶん）』が、いよいよ日本（にほん）にも導入（どうにゅう）されました。

　一番（いちばん）大（おお）きいのは、重犯罪（じゅうはんざい）の『触法（しょくほう）精神（せいしん）障害者（しょうがいしゃ）』に対（たい）する措置（そち）入院（にゅういん）処分（しょぶん）の本格（ほんかく）導入（どうにゅう）。『再犯（さいはん）可能性（かのうせい）があるうちは、退院（たいいん）することが出来（でき）』ず、日本（にほん）弁護士（べんごし）連合会（れんごうかい）(日弁連（にちべんれん）)や日本（にほん）精神科（せいしんか）病院（びょういん）協会（きょうかい）(日精協（にっせいきょう）)、学識（がくしき）経験者（けいけんしゃ）の一部（いちぶ）等（など）から『事実上（じじつじょう）の無期刑（むきけい）に相当（そうとう）し、到底（とうてい）認（みと）められるものではない』といった趣旨（しゅし）の反対（はんたい）の声（こえ）も上（あ）がっていましたが、ごり押（お）しで成立（せいりつ）しちゃいましたね。十分（じゅうぶん）な議論（ぎろん）も国民（こくみん）に対（たい）する周知（しゅうち）徹底（てってい）も疎（おろそ）かなままに。

　心神（しんしん）喪失（そうしつ）状態（じょうたい）にある精神（せいしん）障害者（しょうがいしゃ）は人（ひと）を何人（なんにん）殺（ころ）しても無罪（むざい）になるというのは、一般（いっぱん）にはなかなか理解（りかい）され難（がた）い部分（ぶぶん）もありましたしね。

　この『保安処分（ほあんしょぶん）』、古（ふる）くは1926年（ねん）(大正（たいしょう）15年（ねん）)に答申（とうしん）された『改正（かいせい）刑法（けいほう）草案（そうあん）』に盛（も）り込（こ）まれていたようですよ？

　今回（こんかい）、精神（せいしん）障害者（しょうがいしゃ）の犯罪（はんざい）が激増（げきぞう）したわけではないのですが、今回（こんかい）の刑（けい）の厳罰化（げんばつか）に便乗（びんじょう）して導入（どうにゅう）されちゃいました。こりゃ、とんだどんでん返（がえ）しだよ。

　導入（どうにゅう）されちゃった以上（いじょう）は、適正（てきせい）な運用（うんよう）がなされるかどうかの問題（もんだい）ですよね？

２　『８月（がつ）コロナ革命（かくめい）』の目玉（めだま）🍳

　この革命（かくめい）の目玉（めだま）は、日本（にほん）国（こく）憲法（けんぽう）第（だい）36条（じょう）の【残虐（ざんぎゃく）な刑罰（けいばつ）の禁止（きんし）】を変更（へんこう）しちゃった点（てん）です。ここの一点（いってん）突破（とっぱ）でしたからね☆

　つまり、しっかりと手続（てつづ）きを踏（ふ）んで捜査（そうさ）などが行（おこな）われて、裁判（さいばん）が開（ひら）かれ判決（はんけつ）が確定（かくてい）しちゃった場合（ばあい）、『残虐（ざんぎゃく）な刑罰（けいばつ）』を科（か）することが認（みと）められちゃったわけ。

　日本国（にほんこく）憲法（けんぽう）第（だい）31条（じょう）のデュー・プロセス・オブ・ロー、すなわち『法（ほう）による適正（てきせい）な手続（てつづ）きさえ踏（ふ）んでいれば、憲法（けんぽう）違反（いはん）じゃありませんよ〜☆』というわけです。

　あれ？　手続（てつづ）きさえ適正（てきせい）であれば、『法律（ほうりつ）の内容（ないよう）の適正（てきせい）は求（もと）められない』の？　ホントに良（い）いの？　Ｕターンするなら、今（いま）のうちだよ？

　まあ、憲法（けんぽう）が良（い）いって言（い）ってんだから良（い）いのか♪

　『法（ほう）の番人（ばんにん）』であり、民主（みんしゅ）主義（しゅぎ）の例外（れいがい）機関（きかん）(※)である最高（さいこう）裁判所（さいばんしょ）の大法廷（だいほうてい）だって、『法令（ほうれい）違憲（いけん）』の判決（はんけつ）は出（だ）せても、

『合憲（ごうけん）の法律（ほうりつ）をどうこうするチカラ』

はないんだもんね。恐（おそ）るべし、憲法（けんぽう）改正（かいせい）。

　そして、この改憲（かいけん）によって復活（ふっかつ）したのが、明治（めいじ）時代（じだい）の初（はじ）め頃（ころ）まで存在（そんざい）していた刑罰（けいばつ）『梟首（きょうしゅ）』刑（けい）なのです、じゃ〜ん！

３　梟首刑（きょうしゅけい）とはなんじゃらほい？

　梟（ふくろう）の首（くび）と書（か）いて梟首（きょうしゅ）。またの名（な）を『獄門（ごくもん）』といい、『晒（さら）し首（くび）』ともいわれました。

　江戸時代（えどじだい）の梟首刑（きょうしゅけい）は、斬首（ざんしゅ）の後（あと）、死体（したい）を試（ため）し斬（ぎ）りにし、はねた首（くび）を台（だい）に載（の）せて３日間（みっかかん）(２晩（ふたばん）)見（み）せしめとして晒（さら）しものにする公開（こうかい）処刑（しょけい）の刑罰（けいばつ）でした。

　付加刑（ふかけい）として財産（ざいさん）は没収（ぼっしゅう）されて、死体（したい）の埋葬（まいそう）とか弔（とむら）いも許（ゆる）されなかったんだよ？

　なお、一番（いちばん）最後（さいご）に斬首（ざんしゅ）が行（おこな）われたのが1881年（ねん）で、およそ140年（ねん）振（ぶ）りの復活（ふっかつ）ダネー♪

４　待（ま）ってました！　公開（こうかい）処刑（しょけい）のネット配信（はいしん）、地上波（ちじょうは）放送（ほうそう）

　で、新（あたら）しい梟首刑（きょうしゅけい）はというと……、えっ？　もういいから、さっさと処刑（しょけい）を始（はじ）めろ？　が〜ん！　

　ふんっ！　何（なに）さ、何（なに）さ。人（ひと）が一生懸命（いっしょうけんめい）説明（せつめい）してたのにさ。わっかりましたよーだ！

　記念（きねん）すべき復活（ふっかつ）梟首刑（きょうしゅけい）の第（だい）１号（ごう）は、いわゆる『弱者（じゃくしゃ）は死（し）ね』事件（じけん）の犯人（はんにん）でーす！　パンパカパーン🎊

　梟首刑（きょうしゅけい）制定後（せいていご）、初（はじ）めての凶悪（きょうあく）事件（じけん）ですからね。

　ご存（ぞん）じだとは思（おも）いますが、この事件（じけん）は、

――🌸桜（さくら）の花咲（はなさ）く公園内（こうえんない）で、ナイフを持（も）った男（おとこ）が『弱者（じゃくしゃ）は死（し）ね』などと叫（さけ）びながら、十数人（じゅうすうにん）を殺傷（さっしょう）して回（まわ）った⛲――

というものです。

　中（なか）には結婚（けっこん）を間近（まぢか）に控（ひか）えた女性（じょせい）なんかもいたりして、私（わたし）、ドキュメント番組（ばんぐみ）見（み）て泣（な）いちゃいました👰

　ようやく、この憎（に）っくき死刑囚（しけいしゅう）が、首（くび）をはねられるわけで、感無量（かんむりょう）ですぅ〜。

　なお、この処刑（しょけい）シーンの放送（ほうそう）はインターネット配信（はいしん）は生放送（なまほうそう）で、地上波（ちじょうは）では深夜（しんや）の時間帯（じかんたい）に放送（ほうそう）されます。

　『公開処刑（こうかいしょけい）』及（およ）び『生首（なまくび）を晒（さら）す』ところまでが刑罰（けいばつ）なので、施行令（しこうれい）やら施行（しこう）規則（きそく）やら色々（いろいろ）と決（き）まりごとがあるんですよぉ〜★

　処刑（しょけい）シーンの音声（おんせい）なんかも、『梟首刑（きょうしゅけい）の執行（しっこう）に関（かん）する法律（ほうりつ）施行（しこう）規則（きそく）第（だい）49条（じょう）』によって放送（ほうそう）が禁止（きんし）されているんです。

　あっ、準備（じゅんび）オッケーですか？

５　ギロチンで首（くび）をすとんちょ

　みなさーん、お待（ま）たせしましたーっ！

　準備（じゅんび）が整（ととの）ったみたいです。

　あっ、見（み）て下（くだ）さいっ！　首（くび）と手首（てくび）がギロチン台（だい）に固定（こてい）されてますよおー！

　あっ！　今（いま）の見（み）ました？　睨（にら）んできましたね。ばーか、ばーか、あっかんべー！

　いよいよですよー、わくわくしますねー♡　ドキドキしますよー💗

　知（し）ってますか？　ギロチンの前（まえ）にも似（に）たような機械（きかい）はあったんですよ？　でも、それらは刃（は）が水平（すいへい）だから、首（くび）を上手（うま）く落（お）とせなくて、首（くび）の骨（ほね）で刃（は）が止（と）まっちゃうことも多（おお）かったみたい。

　ギロチンの発明（はつめい）は、刃（は）を斜（なな）めにしたことです。それによって、首（くび）がすとんちょと落（お）とせるようになったのです。人類（じんるい）の叡智（えいち）を感（かん）じるね。

　斬首執行（ざんしゅしっこう）まで、あと２分（ふん）ですっ！

　執行（しっこう）１分前（いっぷんまえ）から執行（しっこう）１分後（いっぷんご）まで、音声（おんせい）が流（なが）れません。テレビの故障（こしょう）ぢゃないので、慌（あわ）てないでね。それでは、斬首（ざんしゅ）執行（しっこう）までしばしお待（ま）ち下（くだ）さい。

――画面（がめん）に映（うつ）るのはギロチン台（だい）と死刑囚（しけいしゅう）の姿（すがた）。何（なに）やら叫（さけ）んでいる様子（ようす）が伺（うかが）える。画面（がめん）にカウントが入（はい）った。５……４……３……２……１……スパッ、っと首（くび）と両手首（りょうてくび）がはねられ、地面（じめん）に落（お）ちて転（ころ）がる。

　執行官（しっこうかん）数人（すうにん）が台（だい）から死刑囚（しけいしゅう）の身体（からだ）を運（はこ）んできて、脇（わき）の下（した）からロープを通（とお）して吊（つ）るし台（だい）に吊（つ）り下（さ）げる。

　日本刀（にほんとう）を持（も）った執行官（しっこうかん）【死刑（しけい）執行人（しっこうにん）】が、右（みぎ）の腰（こし）から左（ひだり）の足（あし）に向（む）けて斜（なな）めに斬（き）りつけるも上手（うま）く切（き）れずに、刃（は）が途中（とちゅう）で止（と）まる。同（おな）じことを二度（にど）、三度（さんど）と繰（く）り返（かえ）し、それでも上手（うま）く切（き）れなかったので別（べつ）の死刑（しけい）執行人（しっこうにん）と交代（こうたい）。

　その死刑（しけい）執行人（しっこうにん）は右（みぎ）の腰（こし）から左足（ひだりあし）を、綺麗（きれい）に切（き）り落（お）とした。胴（どう）から切（き）り離（はな）され、左足（ひだりあし）も腰（こし）から切（き）り離（はな）される。

　返（かえ）す刀（かたな）で左肩（ひだりかた）から右脇腹（みぎわきばら）に掛（か）けて一刀両断（いっとうりょうだん）。地面（じめん）に転（ころ）がる身体（からだ）がひとつひとつ丁寧（ていねい）に映（うつ）し出（だ）される。

　そのあと生首（なまくび）は、晒（さら）し台（だい）から突（つ）き出（で）た太（ふと）く長（なが）い鋲（びょう）に串刺（くしざ）しにされて固定（こてい）される――

　はーい、凄（すご）かったですねー！　私（わたし）、人（ひと）が目（め）の前（まえ）で死（し）ぬ瞬間（しゅんかん）を初（はじ）めて見（み）ちゃいました。興奮（こうふん）ですぅ。

　試（ため）し斬（ぎ）りのところで、ちょっとアクシデントがありましたけれど、生中継（なまちゅうけい）だから仕方（しかた）ありませんね★

　最初（さいしょ）の方（かた）も、居合（いあ）い切（ぎ）りの達人（たつじん）だったのですが、緊張（きんちょう）しちゃったんでしょうかね〜？

　最初（さいしょ）の一太刀（ひとたち）で刃（は）こぼれして、焦（あせ）って切（き）れなくなるという悪循環（あくじゅんかん）で……。

　世界一（せかいいち）切（き）れ味（あじ）鋭（するど）い日本刀（にほんとう）で、しかも達人（たつじん）が腕（うで）をふるっても失敗（しっぱい）することってあるんですね。

　ヨーロッパの斬首刑（ざんしゅけい）が、剣（けん）や斧（おの）によって執行（しっこう）されてた時代（じだい）とか、日本（にほん）でも切腹（せっぷく）のあとの介錯（かいしゃく）のときに首（くび）を上手（うま）くはねられなくて、何度（なんど）も斬（き）りつけるというシーンはたびたび見（み）られたそうですよ？

　斬首刑（ざんしゅけい）の執行（しっこう）自体（じたい）はギロチンを用（もち）いてますから、ほとんど失敗（しっぱい）しません。

　人道的（じんどうてき）ですね〜。人権（じんけん）に配慮（はいりょ）してますね〜。さすが法治（ほうち）国家（こっか）です。ちなみに、このバラバラの身体（からだ）も明後日（あさって）まで放置（ほうち）です。法治（ほうち）(放置（ほうち）)国家（こっか）ですから。ぷぷっ♪

　憲法（けんぽう）改正（かいせい）により、残虐（ざんぎゃく）な刑罰（けいばつ）を科（か）することは許（ゆる）されるようになりましたけれども、それでも死刑囚（しけいしゅう）をいたずらに苦（くる）しめる執行（しっこう）方法（ほうほう）は、法案（ほうあん）を通（とお）りませんでしたからね〜。

　私（わたし）、今（いま）ちょっと、厳（おごそ）かな気分（きぶん）になっちゃってます。

　晒（さら）し首（くび）は、今晩（こんばん）、明日（あした）の夜（よる）と晒（さら）され、明後日（あさって）の正午（しょうご）まで、生配信（なまはいしん）されます。

　そのあと死体（したい）は埋葬（まいそう）されることなく、廃棄（はいき）処理（しょり）されるそうですが、処理（しょり）方法（ほうほう）については公開（こうかい）されていません。

　死刑囚（しけいしゅう）の財産（ざいさん）については、遺族（いぞく）に相続（そうぞく）されることなく、国（くに）に没収（ぼっしゅう）されることとなります。

　今回（こんかい）、新（あら）たに死刑（しけい）より重（おも）い梟首（きょうしゅ）が制定（せいてい）されました。法（ほう）に触（ふ）れないように生活（せいかつ）していきましょうね。

　リポーターは技路田沈子（ぎ　ろ　だ し ず こ）でした。

　違（ちが）うっ！　『ちんこ』じゃないっ！　『しずこ』だからっ！

　おしまい

(※)民主（みんしゅ）主義（しゅぎ）の例外（れいがい）機関（きかん）

　裁判所（さいばんしょ）、特（とく）に最高（さいこう）裁判所（さいばんしょ）大法廷（だいほうてい）は、国民（こくみん）の代表（だいひょう）である国会（こっかい）議員（ぎいん）の満場（まんじょう）一致（いっち）で可決（かけつ）された法律（ほうりつ）に対（たい）し、憲法（けんぽう）違反（いはん）を理由（りゆう）に『法令（ほうれい）違憲（いけん）判決（はんけつ）』を下（くだ）すことが出来（でき）る。

　違憲（いけん）判決（はんけつ）を受（う）けた法律（ほうりつ）は、効力（こうりょく）を失（うしな）い、或（ある）いは、憲法（けんぽう）に反（はん）しない程度（ていど）に意味（いみ）を縮小（しゅくしょう）された合憲（ごうけん）判決（はんけつ）が下（くだ）される(合憲（ごうけん）限定（げんてい）解釈（かいしゃく）)。

　つまり、みんなで決（き）めたことでも、憲法（けんぽう）に違反（いはん）していれば、『それはいけんよ！(ダメだよ！)』と言（い）えるわけで、これこそが『法（ほう）の番人（ばんにん）・人権（じんけん）の府（ふ）』であり、『民主（みんしゅ）主義（しゅぎ）の例外（れいがい）機関（きかん）』というわけです。これこそが三権分立（さんけんぶんりゅう）(『さんけんぶんりつ』でも良（よ）い)といった感（かん）じですけれど、実際（じっさい）に機能（きのう）しているのかというと……★

　司法権（しほうけん）は三権（さんけん）の中（なか）で圧倒的（あっとうてき）に弱（よわ）いですからね💧

「まさか、『司法（しほう）』のヤツがヤラれるとは……」

「なかなかやるな、と言（い）いたいところだが、司法（しほう）は吾（われ）ら『三権（さんけん）』の中（なか）でも最弱（さいじゃく）の存在（そんざい）。この『立法（りっぽう）』と『行政（ぎょうせい）』の前（まえ）では奴（やつ）らなど取（と）るに足（た）らん(悪（あく）の組織（そしき）の幹部風（かんぶふう）に)」

　というわけ。

　紙幅（しふく）が余（あま）っているので、ちょっとした小（こ）ネタを。

　『行政（ぎょうせい）』とは【政（せい）】治（じ）を【行（おこな）】うこと。

　では、『行政（ぎょうせい）行為（こうい）を行（おこな）う』って何（なに）？

答（こた）え　『政治（せいじ）を行（おこな）う行為（こうい）を行（おこな）うこと』です。

「はっ？　ちょっと意味（いみ）わかんない★」