第42話 神は天にいまし、全て世は事もなし
「んじゃ、行ってくるわ」
「気をつけてな」
放課後になって、
「和泉君!」
下駄箱で靴を履き替えていると、
「よう。無事に
和泉の問いに、切通は眉を寄せた。
「私がお母さんを呼ぶことより、和泉君がちゃんと宇宙人になれるかって方が心配よ」
そりゃそうか。
でも、
「なるようにしかならないけど、できるだけ頑張るよ」
自信を持って答えられないのが申し訳なかった。
和泉の曖昧な言葉に切通はため息をついたけれど、その顔はどこか楽しそうでもある。
「神は天にいまし、全て世は事もなしってとこかしら?」
「そうかもな」
切通もその言葉を知ってたか。
色々な解釈のある言葉だろうけれど〝なるようになるさ〟てのも、一つの答えかも知れない。
「なんだ。和泉君もこの言葉を知ってたのね」
切通が笑って付け足してくる。
「やっぱり『赤毛のアン』って最高よね」
「……待て。あれは『ブラックラグーン』の名言じゃねぇのか?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます