その15 はいはい、7人目で良いですよーだにゃ!
シシャモの拳がブラス王の顔面にめり込むがそのままブラス王の蹴りがシシャモを襲い地面を削り飛んでいく。
「姉上、限界なのだ! しばらく休むのだ!」
ルイが槌を振り下ろすがブラス王に片手で止められ槌ごと投げられる。そこにビアシンケンとグラープが大剣と錫杖振るうが避けることもせず体で受け止めるとそれぞれ殴られ後ろへ飛ばされる。
「お前らレベル100ごときが出る幕ではない」
バカにするような口調のブラス王にシシャモのパンチがヒットするとブラス王がよろけシシャモの猛攻が始まる。
だがブラス王の顔面を蹴ろうとした瞬間、足を握られ地面に叩きつけられ投げ飛ばされる。
ブラス王が服についた埃を払うと両手から黒と白の混ざったビームのような攻撃で周囲を凪ぎ払う。
「これまでの攻撃で分かったがシシャモ、君は一瞬だけわたしのレベルを超えてるんだろ。そしてそれにはクールタイムがある。その時間を稼ぐこの3人というわけだ」
瓦礫を払いのけシシャモが立ち上がる。
「ボロボロじゃないか。その赤い服、それがレベル上限のカギってところか。
シシャモよわたしのものになれば優しく愛でてやる。これ以上の抵抗は無駄だ止めてわたしのものになれ」
「お断りするにゃ!」
シシャモがフロッピーディスクを差し込みイーグルモードで空を飛び空から強襲を掛けるが拳を受け止められると叩きつけられ羽をもがれながら投げれる。火花を散らしながら地面を転がるシシャモのイーグルモードの変身が解かれノーマルモードに戻る。
「自慢の変身も大分少なくなってきたんじゃないか」
ブラス王が倒れるシシャモに白と黒の混ざるビームを放つ。
「やらせないのだ!! う、のわっ」
ビームを槌で弾こうとしたルイが吹き飛ばされるとグラープが地面から迷宮の一部をせりだし受け止めるが迷宮は破壊されグラープも飛ばされる。
ビアシンケンが正面に立ち大剣を振るい受け止める。
「ぐおおぉぉ!!」
ビアシンケンの大剣にヒビが入り始めたところでシシャモに押し退けられ横に転がる。ビアシンケンのビームをアッパーで打ち上げると上空で大爆発が起きる。
「なるほどクールタイム終了というわけか」
シシャモの猛攻が始まる。この間ブラス王は耐え続けシシャモのスキルが切れる時間を待つ。
そのときがくるとブラス王がシシャモの拳を受け止めると腰のベルトを掴む。
「これがなければお前はスキルを使用しても意味がない。違うか?」
「にゃに!?」
ベルトは握りつぶされ爆発を起こすとシシャモは吹き飛び地面を転がる。その近くにベルトの慣れ果てが転がる。
「ぬははははは、どうだもう諦める気はないか。あっちの世界に行ったお前の仲間も苦戦していることだろう、なにせわたしを倒すことは出来ないからな」
ブラス王が倒れているシシャモを蹴り飛ばすとシシャモは住宅街を破壊しながら飛んでいく。
それを追撃しようとビームを放つ構えをするブラス王にビームと銃弾、ミサイルの嵐が襲う。
「シシャモ無事やか? ようやく最終戦に突入出来そうちや」
バトの呼び掛けに建物の瓦礫を吹き飛ばしシシャモが立ち上がる。
「ボロボロやないか。派手にやられたね」
「バトもボロボロにゃ」
「スピカ、ルイ達3人を安全な場所に移動させて欲しいにゃ」
シシャモの願いでまだ何か言いたそうなルイを含め3人が飛ばされる。
バトの放った攻撃による爆発の粉塵が晴れるとブラス王が平然と立っている。
「うーんダメージあるけどまあレベル600近う離れちゅーし、こがなんやないかな」
目を細めるバトから現状を聞くシシャモがニヤリと笑う。
「じゃあ始めるにゃ、バトあれは全部用意出来たかにゃ?」
「もうちっくとで出来るって、アダーラも一回ならいける言いゆーよ」
「じゃあスピカこっちに来るにゃ」
シシャモに呼ばれて自分を指差し不思議そうな顔でやってくる。
「お前今から魔王シシャモの配下にゃ。指示に従えにゃ」
「はあ? 私戦えないんですけどー」
「うるさいにゃ、お前は転移を連続でやれば良いだけにゃ。こっちはあたし、あっちはペンネに従えにゃ」
頬を膨らませ抗議するスピカをバトが押さえてなだめる。
「臨時や、1回だけや。それにスピカの力がなければあいつは倒せん。お願い出来んか?」
「むっ、むむむそこまで言うなら考えてやってもいいわよ。だけど臨時よあくまでも臨時ね」
ツンデレっぽく了承するスピカにシシャモは容赦ない無茶ブリをする。
「スピカ名乗れにゃ、あたしらは1回名乗ったからお前も名乗れにゃ」
「はあーー!?」
バトが手を合わせお願いしているのが目に入るとスピカは諦めた表情になって短く咳払いをする。
「あ、可愛いは無しにゃ。魔王軍っぽくないからにゃ」
「うっ……」
シシャモの言葉に言おうとしたことを遮られ一瞬言葉に詰まるがスピカは叫ぶ。
「私は魔王シシャモ軍臨時の性悪女神スピカ! ブラスお前を倒してこの下らない仕事に終止符を打たせてもらうわよ!」
指を真っ直ぐブラス王に差しどや顔で宣言するスピカを見てバトが「ノリノリや」とボソッと呟く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます