その13 初めての共闘にゃ!
夕食が終わりお茶を飲みながら話を続ける3人(シシャモは半分寝ているのでカウントしていない)
「環境破壊とは自然の状態が大きく変わることで生活、生命活動にまで影響を及ぼすってことで合っていますか?」
ペンネが真剣な表情で窓際達と話している。
「うん合ってるよ。その大きな原因が人間同士の戦争だね。そのときに使われた兵器が後々環境へ大きな影響を与えて今の状況なった訳だよ」
「戦争……人間同士の大規模な縄張り争いですよね?」
ペンネの言葉に窓際は腕を組み、天井を見上げる。
「そうか、縄張り争いか……生き物ってのはみんな争うものなんだよなぁ。虫だって自分の縄張りを持って争うしね。争いはなくならないのだろうね」
「にゃーーーーーー!!」
シシャモが目を開け突然立ち上がりみんなの注目を浴びる。
「眠い、眠いのにゃ!! 話が難しいにゃ。
いいかにゃ! ミケ族の優劣は昼寝を連続何時間出来るかで決まるにゃ! 長く寝れる奴がすごい奴にゃ。
例えば5人昼寝が出来る木が1本あるにゃ。
そこに10人来るにゃ、詰めて寝ても7人寝るのが限界にゃ!
3人溢れる、そう言うときミケ族の教えはこうあるにゃ」
シシャモが溜める。
「昼寝の時間が長いものが短いものに譲れ!とにゃ」
「長い者が優なら短い者を押し退けるんじゃないのかい?」
窓際がシシャモの話に疑問を投げ掛ける。
「短い奴が先に寝れば早く起きるから、後から長い奴がゆっくり寝れるにゃ。
それにいつも長く寝てるなら、少し位短い奴に譲ってやるのが器の大きさを見せるチャンスにゃ!」
シシャモの言葉に窓際と麻帆が真剣な表情で何かを考える。
「シシャモさんの種族って意外に賢いのかもしれませんね」
麻帆の呟きに窓際も同調する。
「そうだね、この辺りに世界平和のヒントがあるかもしれないね」
ペンネがシシャモに尊敬の眼差しを送る。
「魔界最弱と言われたミケ族が今まで生き残れた理由の1つが分かった気がする!」
3人に誉められちょっと優越感に浸るシシャモ。だがそんな時間は長く続かない。
バタバタバタバタバタ!!
外から空気を叩きつけるようなけたたましい音が響いてくる。
「な、なんですかこの音?」
ペンネがあわてふためく。
「ヘリと言う空飛ぶ乗り物だよ。こんな時間になんで」
説明し慌てる窓際にシシャモは疑問を投げ掛ける。
「また敵にゃのか? なんかタイミング良すぎないかなにゃ?」
「……このラボが盗聴……盗み聞きされているのか、シシャモさんの落雷を観測して動いてるのかだと考えられます」
麻帆が答える。
「やっぱり戦うのかにゃ……気は乗らにゃいけどご飯のお礼にゃ。行ってくるにゃ」
そう言うと腕を振り回しながら玄関の扉を開ける。
「待ってシシャモ私も行く」
慌ててペンネもついていく。
外に出ると再びコンテナを積んだヘリが飛んでいる。
コンテナが落ちてきて箱が開き大きさ4メートル程のロボットが姿を表す。
前回の車型と違い人の姿に近い。
「シシャモ、これはなんて魔物なの?」
「えーーと、ロボにゃ」
シシャモが空間からベルトを取りだし腰にセットしペンネは羽を広げ魔弓を召喚する。
「ペンネ、気を付けるにゃ。奴は飛び道具を連続して使ってくるにゃ!」
「分かった、ありがとうシシャモ」
ペンネが空に向かう。
「変身にゃ!」
眩い光と共に変身したシシャモは連続でネコパンチを繰り出すが弾かれる。
「にゃ! 前のより更に固いにゃ」
シシャモの攻撃のダメージが通らない。
「金属ぽいからサンダーかな? 確か5体敵が狙えるって言ってたから、この大きさなら5ヶ所狙えないかな」
ペンネが空中に浮かび上がる照準に指で触れ、窓際に教えてもらった操作を試している。
「出来た、よし! サンダーアロー×5本」
照準のマーカーが5つに別れロボの両手、両足、頭をマーキングし赤く光る。
「いっけーーーー!!」
日が落ち暗くなりかけた空から5本の稲妻が走り、ロボに突き刺さる。
両手、両足、頭に「クリティカル」の文字が浮かぶ。
「あれ? ダメージの数字が見えない」
ペンネが不思議そうにしているが、地上でシシャモが稲妻で動きが鈍ったロボに「ネコキック」をきめる。
「クリティカル」の文字を浮かべながらロボがひっくり返る。
「やったかにゃ」
シシャモが声をあげるのと同時にロボが立ち上がる。
両腕に収納されていたガトリングガンが現れ銃弾の雨をばらまく。
「うにゃにゃ!」
「ひゃあーー!」
2人が銃弾の雨から逃げ回る。
「ウインドアロー×3」
ペンネが地上に3本の風の矢を螺旋を描くように放ち、竜巻を発生させる。銃弾が竜巻に巻き込まれていく。
「ナイスにゃ! これを使うにゃ!」
フロッピーディスクをベルトに差し込む。
「くまクロー!」
音声と共に両手に熊の爪が装着され、そのままベルトのボタンを連打して必殺技へ繋げる。
『必殺!! くまクローースラーーシュ!!』
シシャモの両手の爪が十字の軌跡を描きロボの腹部を破壊し中身がむき出しになる。
「いけーーサンダーアロー!!」
シシャモに追従するように地上スレスレを飛ぶペンネが稲妻の矢をむき出しの機械に打ち込む。
ドーーーーーーン!!!!
海の方へ吹き飛んでいき爆発する。
「やったにゃ!」
「やったね」
2人が手を叩き喜んでいると窓際と麻帆がラボから出てくる。
「はあ、凄いね2人とも」
「ペンネさん! 私頑張ります! 必ず完成させます!」
ペンネの手を握り1人興奮する麻帆とひきつった笑顔のペンネ。
「結構凄い爆発だったけど警察とか来るのかな?」
窓際が不安そうに周囲を見渡す。
「それは気にしなくても大丈夫です。安心してください」
突然の声に4人は驚き振り向く。
変身を解いたシシャモが叫ぶ。
「にゃーー! お前は性悪女神!!」
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