Short stories

第1話 4月8日・あたしは頭にきていた

 あたしは時々思うの。


「あたしを人間として扱って」と。でも言わない。だって相手は人間として想像力が低いから。それはしょうがないことだとあたしはわかっている。人はそれぞれの魂の学びがあると学んだから。


 けれど時々思うの。「あたしはそれを許しているけれども、あたしはやっぱり想像力のない人が嫌い」って。


「あたしが傷つかないとでも思った?」

「あたしが万が一逆上して、あなたを殺さないとでも思った?」

「あたしが弱い人間だと、どうして想像できないの?」


 でもあたしはそんなこと言わないの。だって、あなたは弱い人間でしょう?


 あたしはあなたを人間として見れるの。想像力っていうのを持っている。少なからずとも、あたしが経験した痛みや傷みから想像してものを考えれるの。


 だから努力でなんとなかなるっていう正論を言う人は嫌い。想像力の欠如を感じるから。でも言わない。


 人それぞれの学びが今そこにあるから。


 あなたは努力が正しいと、素晴らしいと学んでいる真っ最中なんでしょう?


 でもあたしは違うの。もう終わったの。努力して努力して死にそうになったから。もう神様が、努力なしの手放して生きる方法を学びなさいって言っているの。それで今、うまくいっている最中なの。邪魔しないで。


 あたしはあたしのリズムで今生き始めているの。


 ラララ。ルルル、タンタタタタン。


 あなたとあたしは違うの。


 だから想像力が必要なの。想像力を使いながら、相手に伝わる言葉を選んで、トーンを選んで伝えなければいけないの。


 ちゃんと。目を見て、まっすぐと。


 それが人間でしょう? 


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