Stories

AKARI YUNG

はじめに

ゴッドスターを読んでいたら、宇宙の隙間があった。 

 あたしは今ゴッドスターを読んでいる。そう。読んでいるの。ものすごいスピードで進む物語だ。何がなんだかわからないの空間によくわかるようなわからないような出来事がどんどんじゃんじゃん進んでいく。よくわからないの。でもいいの。心地よいから。


 あたしはA4の紙と紙の間には宇宙が広がっていると思っていたんだけれど、そんなこと誰にも言わなかったの。だって、頭がおかしいと言われるじゃない? そう。そのくらいはわかるくらいのバカなの。あたしは。でも、あたしは今は、そういうことを表現しても全然構わないと思えるの。だって日出男がいるのも。(ゴッドスターの作者)


 例えば日本中のポストの色を赤から青に塗り替えたら、世界は変わるような気がしていたり。そういうことを誰かがこの地球上でなんとなく思って書いたってことにとてつもなく安心感を抱いているの。そう。ひとりじゃない。もしかしたら、文字で表現したその世界にはあたしは沢山の友達がいるのかもしれない。実際には会えないけれども。友達。それも素粒子レベルかもしれない。なんだかよくわからないの。結局は。でも、そこに絶対あるの。


 時々思うの。あたしは。「なんだか全部が馬鹿げている」って。でも、それはとてつもなく単純で正しい思いかもしれないとも思うの。ね。だから、よくわからないの。結局は。でも今は、今まで拾わなかった自分の想いをまた拾いたくなっている。


 隙間。隙間。隙間。隙間に広がる宇宙を拾ってみようと思っている。


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