すれ違い
「……もっとしていい?」
わたしたちは何回もキスをした。
3年間遠回りした分を取り返す様に。
「俺さ、自分から告白したことないんだよ」
「わたしも。」
「お互い受け身だったんだね。うわーなんかめちゃくちゃ時間かかった気がするわー」
「何回も言いかけた。溢れそうだった。でも関係を壊したくなくて、言えなかった」
「同じ。てかこれから、どうする?善のこととか」
ハッとした。
確かに……でもこのまま善と付き合うわけにはいかない。別れるしかないと思った。
「別れる」
「……もうちょっと善と付き合っててくれない?」
、、、え?
言葉が出なかった
「俺、善と仲良いからさ。ちょっと色々都合があって……もう少ししたらちゃんと善と話すから。萩花からは何も言わないで」
都合って何?
もう少しってどれくらい?
こんなことしといて善に黙って今まで通り接しろってこと?
騙すの?
色んなことが頭を駆け巡ってパンクしそうだった
「ちゃんと、するから。ごめん、善には言わないで」
やっと気持ちを伝えられてスッキリするのかと思った。
モヤモヤしたままわたしは家に帰った
……男友達だし女には分からない事情があるのかな。
無理矢理自分を納得させて、何事もなかったかの様に善に接した
だけどメールの頻度はどんどん少なくなって電話もたまにしか出なくなった。
わたしの気持ちが冷めていた。
海斗とは常にメールをしていたしお互い家にいるときは電話を繋げたままにしていた。
わたしは完全に海斗しか見えなくなっていた
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