考える前に言葉が先に





「わたしもずっと好きだったんだよ」



泣きじゃくって頭の中がぐちゃぐちゃのわたしに善のことを考えてる余裕はなかった


気がつくとわたしは海斗にそう言っていた



「まじで言ってる?」



「気がついてなかったの?」



「全然。男として見られたことないって思ってた」



……鈍感だと思った。


同級生はほとんどみんな知ってたよ……

中1のとき善に振られた理由も海斗なのに。



でもそれはわたしも同じだった



「萩花こそ気づかなかったの?俺から言ったことはないけど友達は知ってるよ。善も気がついてる」



そうだったんだ。


全然気づかなかった。



「こっち、きて」


海斗に手を引っ張られそのままわたしたちは抱き合った。



……海斗、わたしより身長大きくなってる。



毎日のように居たから分からなかった。


わたしよりずっと小さかったのに。


いつの間にかわたしより大きくなってたんだね。



そしてわたしたちはキスをした



「初めて?」


「……うん」



初めては大好きな人がいい。

ずっとそう思っていた。



わたしの初めてのキスは大好きな海斗だった





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