前に進みたい





わたしは悩んだ。


一番好きなのは海斗だったから。



でも海斗には恋愛感情で見てもらえない。


わたしたちは3年間ずっと友達だった。


これでいいの?


わたしは実らない恋をして意味があるの?


善ならわたしは好きになれる。


今は2番目だけど

きっと1番好きになれる。



でも、すぐに答えは出せなかった。



「少し、考えてもいいかな」


「うん。じゃあ俺帰るね」



善はわたしのことを家まで送って帰って行った。



考えた。



どうしよう。



そんな時、海斗から電話がきた。



「もしもし」


「告白されたでしょ?」


「うん、された」


「どうするの?」


「わからない、どうしよう」


「善は3年間萩花のことが好きだったよ。萩花は?」


「好きかどうかは分からないけど頭の片隅にはいつもいた」


「それって、好きってことなんじゃないの?萩花の気持ちは俺には分からないけど善なら萩花のことをちゃんと考えてくれるよ。俺は萩花の友達だからちゃんとした人と付き合って欲しいって本気で思ってるよ」



……海斗はわたしに興味がないんだ。興味がないわけじゃないと思うけど取られたくないとかそういう感情では見てないんだ。



なんだか吹っ切れた。



「そうだね、前向きに考える」


「おう、じゃまたね。さっきキツい言い方してごめんね」


「大丈夫、ありがとう」




わたしがこれから先海斗と付き合えることはない。


海斗を卒業しよう。


前を向こう。進もう。



わたしはすぐに善に電話を掛けた



「もしもし、どうした?」


「さっきの返事…しようと思って」


「えぇっ。もう?あ、うん。わかった」


「わたしも善のこと気になってた。付き合いたい…です」


「まじ?え、ほんとに?うそ。ほんと?ごめん、なんか。え、ほんと…なんだよね?」


「てんぱりすぎ(笑)ほんとだよ」


「やばいわ。ちょっと、俺今やばい。待って。俺高校志願先変更しなきゃ!」


「それ、本気なの?」


「うん、萩花と同じ高校行きたい。イヤ?」


「イヤじゃない。嬉しい。けど、いいの?遠いよ?」


「俺は全然。先生に電話するわ!」



そう言って、善はわたしと同じ高校を受験することになった。



これで海斗卒業。


海斗にメールした。



[善と付き合うことにした。今度は不安にさせたくないしちゃんと向き合いたいから海斗と遊ぶのもメールするのもやめる。今までありがと!海斗にたくさん相談乗ってもらって何回も救われた。幸せになるよ]



[萩花からやめるって言ったの初めてじゃね?(笑)俺もいっぱい救われたよ。善とお幸せに!]



こうして、わたしは善と付き合い、向き合うことを決めた。

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