やっぱり



善と付き合いはじめて海斗とのメールの頻度は減った。


善のことをちゃんと好きになり始めていた。


付き合って1ヶ月が経った頃学校から一緒に帰っているときに善にわたしはいきなり振られた。


「萩花、俺のことすきなの?」


「なに、それ。今そんなこと聞く?]


「なんか、萩花ってよくわからない。俺のことすきって思えないんだよ」


「ごめん、不安にさせて」


「海斗でしょ?萩花が好きだったのは」


「そんなこと言わないでよ」


「俺、むりだわ。もう、やめよう。別れて」


ただ、わたしはぼーっと立っていた。


「いきなりかもしれないけど俺は付き合ったときから不安だった。ごめんだけど耐えられない。じゃ。」



そのまま善は自転車に乗って帰って行った。




、、、なにこれ。意味わかんない。


短い小さい恋が終わった。



すぐに海斗にメールをした。




[フラれました]


[どうしたの?]


[萩花がよくわからないって。耐えられないって言われた]


[悪い女だな〜不安にさせんなよ〜]



また海斗とたわいもない連絡を取り合うようになった。


でも今度は海斗に彼女が出来た




[俺さ同じクラスのありさと付き合うことになった]


[そうなの?おめでとう]


[うん、でさ。他の女の子とメールしないでって言われたからさ。萩花ともメール出来ない。ごめんね]


[そっか。わかったよ]



海斗はそう言ってわたしのアドレスを消した。


学校でも話さなくなった。


学校帰りみんなでよく行った駄菓子屋にも来なくなった。



「しゅうかぁ〜海斗来なくて寂しい??」


「ん〜?そんなことないよ」


「絶対うそ!萩花、悲しそう」



莉子に、海斗が好きなことは言えなかった。


莉子もきっと海斗が好きだったから。


莉子も言ってこなかったけど、なんとなくわかっていたから。



少し日が経ったとき学校の廊下に海斗と友達が喋っていた。


その横を通ってトイレに行こうと思っていたら後ろから小さい声で名前を呼ばれた。



「しゅうか」


「……??!なに?どうしたの?」


「これ」



手紙だった。


小さく折り畳まれたノートの切れ端に文字が書いてあった。



"アド消しちゃったからこの紙に書いて"



汚い字だった。


わたしはこんなことがあるのか、ってトイレで嬉しくて少し泣いてしまった。


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