第3話 山田春人と高冬真友の新たな始まり②




〜高冬真友~


はい!俺のターンです!高冬真友です!楽しいこと大好き!そんな俺がこれから一緒に住むことになる人たちを分析していくぞ!



てなわけで居間についた俺たちは早速自己紹介を始めた。


「それじゃあ自己紹介を始めましょうか。まずは私から改めて。この出合荘の管理人代理をしています。出合理香といいます。そこにいる恵美は娘です。本当の管理人は私の夫なんだけど、単身赴任でたまにしか帰ってこないから、私が代理で管理人をしています。2人ともこれからよろしくね」


まずは俺たちに救いの手を差し伸べてくれた出合理香さん。

年齢は34らしい。

すごい美人だ。

髪色は黒で、ロングヘアー。

スタイルも良く、芸能人レベルの人だ。この人には正直感謝しかない。

これから恩を返していきたいと本気で思っている。


「じゃあ次は…」


理香さんが次の人を指名しようとしたと時。


「はいはーい。次はウチがする!」


元気で大きな声の人が手を挙げて立候補した。


「ウチの名前は片名久留未!好きなものは2次元でーす!今のところ将来の夢とかはないけどこれから楽しく過ごすうちに見つけようと思ってまーす!よろしく!」


ふむふむ…。

率先して明るく元気に自己紹介をしたのは片名久留未。

肩までの長さの少しウェーブのかかった黒髪のこちらも美少女。

身長は160くらいか?目がキラキラしていて、すごい楽しそうだ。

よし。

ここは俺も流れに乗るか?いや、俺たちの自己紹介は最後にした方がいいか。


「じゃあ次は京夏ちゃん。よろしくね」


理香さんが京夏という名前の人を指名した。


「私は水科京夏。よろしくお願いします」


そんな簡単な自己紹介で終わってしまったのは水科京夏。

理香さんと同じ黒髪ロングヘアー。

目つきがなかなか鋭いな。

身長は久留未より少し高い、165くらい?またしても美人。

なんだ?美人しかいないのか?うん、いないな。

俺らってばすごくついてるな。

それにしてもすごく寡黙そうな人だな。

いまいち何を考えてるか分からなそう。

仲が良い人たちとはどう接しているのだろう?

要観察だな。


「ちょっとあんた。なにじろじろと京夏をガン見してんのよ。気持ち悪いわよ?」


むむ。

どうやら俺は恵美ちゃんに目をつけられているらしい。

今もこうやって気持ち悪いと言われてしまった。


「いやいや、ゴメンゴメン。そんなじろじろ見てたつもりはないんだけど。京夏ちゃん?もゴメンね。不快に感じたなら謝るけど。ってかもう謝ってるけどね。ハハハ」


とりあえず謝る。


「別に気にしてない。恵美が気にし過ぎなだけ」


どうやら本気で気にしてなさそう。ちゃん付けも気にしてなさそうだな。


「そうだよねー、ありがとう。だって恵美ちゃん?」


どうしてもやり返したくなってしまうな。

火に油を注いでるのはわかってるんだけど。


「あんたは!!」


「そうゆうのは良くない」


おっと!恵美ちゃんが怒って立ち上がる前に京夏ちゃんに睨まれてしまった。


「ごめん。調子に乗りました」


ここは素直に謝る。


「おい真友。自己紹介中なんだから大人しく!」


隣に座ってる春人が小声で言ってきた。


「悪い悪い。つい…な」


「全く。わかってるくせにやるんだもんなぁ」


春人が呆れた顔をした。

まあそうだよな。でもついやっちゃうんだよな。


「じゃあ次はひーちゃん!」


久留未がひーちゃんを名指した。


「はーい。私の名前は日向七瀬です。好きなものは、料理や、ファッション、音楽鑑賞です。これからよろしくお願いします」


そうおっとりした声で自己紹介したのは日向七瀬。

身長は他と比べると低めの155くらい?髪はロングヘアーで少し茶色がかってるいる。

こちらも美少女。

うん。

そしてこの中で一番胸がでかい。

まあ、そこばかり見ると引かれるので、見るのはやめよう。


「ひーちゃんは胸がでかいよね!」


おいおい久留未、それ言っていいのか?怒るやついないか?


「ちょっと久留未!そんなこと言ったらガン見する奴がいるでしょ!やめなさい!」


ほら。恵美ちゃんが俺をにらみそう言う。

この場面の正解は…。


「…なんで私をガン見してんの!?嫌!」


恵美ちゃんが心底嫌そうな顔をした。

よし。

これで俺が変態ではないと言うことがとりあえずわかってもらえたかな?

ただ、恵美ちゃんをガン見してた言い訳はどうしようか?


「いやー、なんで俺がガン見するって思ったんだろうって疑問に思ったんだよ」


答えはわかってるけど聞いておこう。


「そんなものあんたのこれまでの態度で決めたに決まっているわよ」


まあ、そうだよね。


「そっかー、俺のせいかー。まあでも俺はこうゆう奴だから。よろしくね!次は恵美ちゃんの自己紹介じゃない?」


「はあ。私ね。私はここの壮の娘の出合恵美よ。昔は東京で暮らしてたこともあったけどすぐに引っ越したわ。好きなものは努力と結果。嫌いなものはおちゃらけた人。これからよろしく」


恵美ちゃんが俺を見て嫌いなものを述べた。

なるほど。

俺をここまで嫌うのはそれが理由か。

過去に何かあったと見るべきかな、今の段階じゃそんなことには踏み込めないけど。

恵美ちゃんは髪色も髪質もお母さんの理香さんと同じ。

髪の長さは肩くらいでポニーテールにしている。

顔は多分お父さん似なんだと思う。

美人だからお父さんは男前なんだろうな。

身長は160くらい?


「はい。これでとりあえず今いる子達の自己紹介は終了よ。次は2人、よろしくね」


今いると言うことはまだいるのか。

結構大人数なんだな。


まあいいか。よし!次は俺たちだ!


「じゃあまずは俺から行きます」


春人が立ち上がった。


「俺の名前は山田春人です。春の春に人と描いてはるとです。名前に春とありますが、誕生日は11月です。趣味ややりたいことはまだありませんが、高校生活を通して見つけて行きたいと思います。これからよろしくお願いします」


最後に頭を下げて自己紹介を終わらす春人。

いやいや、それ、入学式直後のオリエンテーションでやる自己紹介じゃね?

自己紹介には変わりないけど、あまりにも堅くて笑いがこみ上げてしまう。

見て見ると、久留未も笑いを我慢している。

恐らく同じことを思ったのだろう。

そんな堅い男は俺の幼馴染でガチ親友の山田春人だ。

顔は俺的には中々かっこいいと思う。

髪は平凡な髪型、身体は痩せてる方、筋肉はない。

これだけだと、よく聞く、「僕はごく普通の平凡な男だ」とかほざいている心が優しい、モテモテラノベ主人公みたいな見た目を想像するだろうが、それは間違った想像だ。

なにが違うって?それはな…。


この男、山田春人は…身長が180あるんだ!ものすごくアンバランスなんだよ!多分、春人を初めて見た人はみんな驚くと思うぞ。

そのレベルでアンバランス。

まあ、見た目はそんなところ。

春人の性格だが、やさしい。

他人に気が遣える。

家事などもこなし、器用な男だ。

自分は無趣味なつまらない奴とたまにいうけど、春人ならやりたいことを見つけられるだろう。

高校生のうちに。

ただ、春人の悪いところは、思ったことをスパッと言っちゃうんだよなぁ。

まあ、捉えようによってはいいどころかもしれんが悪い方向に行く時が多々ある。

そこは俺がちゃんと注意しているんだけど中々治らないだよなぁ。

まあそんなところはあるけど、春人は嫌われることはほとんどないだろう、最高にいい奴だ。

自慢の親友だよ。


「はい。これからよろしくね、春人君。じゃあ次は真友君よろしくね」


キタか。俺の番!一発ぶちかますぜ!


「はーい!俺の名前は高冬真友!心が真っ直ぐの真に友達の友と描いてしんゆうだ。名前の通り心が真っ直ぐで友達思いで、楽しいことが大好き、マルチな趣味を持ってるぜ。将来の夢は大雑把だけど、あります!春人とは0歳の時から一緒にいるぜ!これから俺たちのことを知って行ってもらいたいし、みんなのとこを知って行きたい。よろしく!!!」


とりあえずこんなところだろう!

恵美ちゃんはすごい不服そうな顔をしている。

他の人は俺をジッと見つめている。

フッフッフ…まあそうだよな。

ほとんど、俺のことを話してないからな!春人や京夏ちゃんも全然自分のことを話してなかったけど、それは無自覚だろう。

俺は敢えてなんだが。

そんな俺たちの自己紹介に対しての印象は同じだ。

それは、どんな人で、どんなことがすきなんだろうと、詳しく知りたくなる。

まあ、例外はあるがそれはそれだ。

これから長く一緒に住むんだからそりゃぁ気になるよな。

そんなことを思わせることにより、相手を知る為にどんどんコミュニケーションを取り、仲が良くなっていくわけさ。


「ありがとう真友くん。これからよろしくね」


「はい!よろしくおねがいします!みんなもね!よろしく!」


「「よろしくー」」


春人と一緒に改めて立ち上がり頭を下げた。

と、その時。

全く待っていなかった言葉が恵美ちゃんから紡がれてしてしまった。


「さっき2人に会った時から思ってたけど、あんたたち身長差激しすぎない?」


…恵美ちゃんがそう笑いながら聞いてきた。


そう、身長…それは俺が気にしてるところなんだ!!!


そうだ。

俺と春人の身長差は激しい。

それがどうゆうことを示しているかというと、バラしたくはないのだが俺の身長は、この中の女子の中では1番小さい日向七瀬の155くらい?よりも低い153センチなんだ…悲しすぎる。

俺の成長は中2から止まってしまい、春人の成長は俺の成長を引き継ぐかのように中2から始まった。

そしてこんな身長差ができてしまったのだ。


「うるさいわ!高校で一気に伸びる予定なんだよ!俺の情報1つ追加!牛乳大好きです!」


「それは伸びない人の言い分だよねぇ〜」


久留未も便乗してからかってきやがった!


「俺は絶対に高校卒業するまでには目標の170センチ超えるから見てろよ!」


これは俺の目標の1つだ。絶対に達成して見せるぜ!


「ハイハイ!もう仲が良くなっているのはいいことだけど、やることはまだあるからここまでてね。次は2人の部屋を案内するからついてきて」


手を叩いて自己紹介に区切りをつけた理香さんに部屋の紹介をしてもらうため俺たちはついていく。

うーむ、果たしてどこの部屋でどんな部屋なんだろう。

異性と同じ家なんだから、部屋は離れているのか?まあ考えても仕方ないから、実際に見てみるに越したことはないか。


どうやら男の部屋と女の部屋で階が分かれてるらしい。俺たち男は二階だ。


「へえ、俺たち1人ずつに部屋が割り振られてるんですねぇ」


「ええ、大きさもそこそこだし、結構快適に過ごしてもらえると思うのだけれど」


「どの部屋もこのくらい広いんですか?」


春人が尋ねた。


「そうね。個人の部屋は大体全部このくらいの大きさよ」


さすが、外観だけででかいとわかってたけどここまでとは。


「荷物は下にあるから後で自分で運んでもらえると助かるわ」


「ういっす。了解です」


「さて、部屋の紹介も済んだし次は壮の決まりごとの話でもしましょうか」


ふーむ、決まりごとかー。


「やっぱりこのくらいの大人数だと決まりごとでも決めないと大変なんですか?」


「そうね。後で詳しく説明するけど、ご飯当番とか買い物当番とか、おもに当番を決めているわね」


おお、大家族っぽいな。ワクワクするぜ。


「それじゃ、みんなが集まってるリビングに戻りましょう」


「わかりました」


というわけで、リビングに戻った俺たちは決まりごとを聞いた。

決まりごとは、掃除当番や買い物当番、料理当番などの当番があるということだ。

理香さんも働いてるから家事を住人が手伝うって訳だ。

春人の出番だな。

俺は正直役に立たんからな。


「じゃあ早速買い物当番の人入ってもらおっかな。今回は交流のためにも、そうねぇ、七瀬ちゃんと真友くんに行ってもらおうかな」


おっ、俺か。相手は七瀬ちゃん。楽しみだな。ただ…


「ちょっと母さん大丈夫?こいつと七瀬で私心配なんだけど」


うん。やっぱりかぁ。


「大丈夫だよーそんなに警戒しなくても。ねぇ?高冬君?」


「そうよ。流石に警戒しすぎで失礼よ」


響夏ちゃんがフォローしてくれた。優しいな。


「ありがとう!俺を信じてくれて!」


俺は嬉しさのあまり立ち上がって言った。


「別にいいわよ。恵美が少し気にしすぎなんだから」


「まあいいけど、本当に何かしたらどうなるかわかってるよね?」


恵美ちゃんが真剣な顔で釘を刺してくる。そんなに嫌われたか…。


「うん。流石に何もしないよ。そこまでやばいやつじゃないからね」


流石にそんなことしたらやばすぎるっていうのは誰でもわかるよね。


「もう。恵美は昔から人を疑いすぎよ。もうちょっとその人を知ってから疑いなさい。それじゃあお願いね。2人とも」


「「はーい」」


ーーー


「1番近いスーパーってどのくらい?」


俺と七瀬ちゃんは並んで歩いて外を歩いてる。

くっっっ、俺の方が背が低いなんて…。


「私たちがいつも使ってるのは壮から歩いて10分で着くよ」 


「へえ、すごい近いね。この辺色々な店があったりする?」


「近くに商店街があるから、そこにいっぱいお店はあるね。この辺のことも学校に通う前に教えてあげるね」


「それはありがたいね!お世話になります」


「いえいえ、改めて、これからよろしくね高冬君」


「うん。こちらこそよろしく。とりあえず、スーパーにつくまで質疑応答でもしようか」


「そうだね。じゃあ私から。高冬君は好きなものないの?さっきは何も言ってなかったけど」


やっぱりそこはくるよな。

目論見どおりだぜ。


「そうだなぁ、本当にこれ!という好きなものはないけど、それなりに好きなものはいっぱいあるかな。その前に俺は七瀬ちゃんの好きな歌手が聞きたいな」


趣味は音楽鑑賞って言ってたけど好きな歌手は言ってなかったし。


「え?好きな歌手?あ、あー、好きな歌手はいないかなぁ。色々なジャンルの歌が好きなの」


ん?明らかに何かあるよな?わかりやすねぇ。


「そうなんだ。ちなみに俺も女性アイドルやショニーズとか、ロック系とか幅広く聴いてるなぁ。ショニーズとか一般的には女性ファンが多いけど、いい曲多かったりするんだよなぁ。やっぱり何かを否定するときはそれを知ってからじゃないとね」


あ、やべ。

これは遠回りに恵美ちゃんに言ってるように聞こえちゃうかな?


「え?ショニーズ聞くの?本当?」


やっぱりそうゆうことだよなぁ。


「うん。聞くよ。もしかして七瀬ちゃんも聴いたりする?」


「うん。聞く!聞くよ!本当はショニーズが好き!中学の頃にショニーズ嫌いな人がいたんだ。だからあまり好きとか大声で言えなくなっちゃって」


うん、やっぱりどこにでもいるよね、他人の好きなものを否定する人。


「なるほどね。まあ少なくとも俺は……俺と春人はそうゆうの全く気にしないから大丈夫だよ」


「ありがとう。ところでどの曲が好きなのかな?」


七瀬ちゃんが満面の笑みで聞いてきた。

本当に好きなんだな。


「俺は山風の曲が好きなのが多いな。七瀬ちゃんはどのグループ推してるの?」


「私は山風だよ!山風の梅木駿が好き!曲だとtwo Peaceかなぁ!」


そこから俺たちは山風の話で盛り上がりながらスーパーへと向かった。



とりあえず、七瀬ちゃんとは少し仲良くれたかな!



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