ヒナコさんと協力して
「ヒナコさんには、『特別スキル』を使ってモンスターを倒す係をしてもらいます」
「え、え!?」
ヒナコさんが明らかに動揺している。
「えっと、えっと……! わたし、戦闘向きでは……っ」
「もちろん、分かってます。ただ、ヒナコさんの『特別スキル』なら、モンスターを倒すようなミッションが発生しても大丈夫だと思うんです」
「……と言いますと?」
半分泣きそうな目で私を見るヒナコさん。言い方が悪かったみたい……。
「ヒナコさんの『特別スキル』は、ヒナコさんが思う通りのお菓子を作ることができるスキルですよね?」
「はい」
「だとすると、場合によってはモンスターを倒せるようなお菓子を作ることもできるかと思いまして。例えばなんですが、私も戦闘向きではありません。しかし、モンスターをあと一撃で倒せる状態にまで、持っていくことができました。もちろん、他の人の協力も借りて、ですけど」
以前、フリントさんやアイダさん、シュウさんと一緒に挑んだダンジョン攻略で、ネズミ将軍をあと一歩で倒せるところまで毒で体力を削った。それは、私の特別スキルで作ったアイテムの毒だった。
私は他の人たちと協力してネズミ将軍を倒した話を、ヒナコさんに詳しく話した。最初は怪訝そうな顔をしていた彼女の表情も、次第に明るくなる。
「それって! それって! わたしにも、モンスターを倒せるかもしれないってことですよねっ!?」
ヒナコさんが私にぶつかりそうなくらい顔を近づけながら言う。
「そうなります。レベルアップも期待できます。ついでに言うと、ヒナコさんの想像力、視野が活かせて、さらにスキルアップも目指せるかもしれないお仕事です」
「やります! それはもうやります!」
ぴょこぴょこはねて喜ぶヒナコさん。
「どんなお菓子がいいだろう。モンスターを倒せそうなお菓子かぁ……」
「あとは、戦う側の強化を行えるようなアイテムもよさそうですね」
私もなんだか、アイテムづくりがしたくなってくる。とりあえず、ヒナコさんを味方につけることができた。あとは、ギルドのメンバーで協力してくれる、戦闘向きな人がいるとなおさらいいかもしれない。
「それじゃ、今度はギルドの建物に行ってみましょう」
まずは、ギルドマスターの証を見つけて、それに触れてカズアキさんに臨時ギルドマスター承認をしてもらって。
それから、ゲーム内に取り残されたギルドメンバーを探しに行こう。
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