【作戦】
「な、なんであそこまでわかったんですか」
福原が、手をバタバタさせながら覚田に尋ねた。
「まあ、ビッグ4はそういう人たちだから」
「すごいです」
北陽と安藤も、感心した表情で覚田を見ていた。
ビッグ4が来訪するとなれば、単に顔を見せに来るだけではないことは明白だった。必ず全面的な対戦を申し込んでくる、覚田はそう予想していた。しかも、ビッグ4たちのこれまでの戦い方から、少しでも負ける可能性を減らしてくると考えた。そこから導かれるのは、現役から最強の部員、野村を自チームに迎え入れるというやり方である。
少しでも優しさがあれば、後輩と戦う時にそのような大人げないことはしないだろう。しかし、ビッグ4は勝つためならば手段を選ばないのだ。
「さて、オーダーだけど」
部室には、現役の6人が残っていた。ビッグ4と野村は、食堂に行って作戦会議をしている。
オーダー表には、7人の名前を書くことになる。ここにいない夏島の名前は6将か7将に書くということで確定だった。そしてもう1人、不戦勝になる。
「俺は部長を信じますよ」
力強く、蓮真は言った。
「俺もっす」
中野田も続いた。他の三人も、頷いている。
「まいったなあ。さすがにここから先は、かなりの博打だけど」
「博打でもしないと、あの人たちにはかないませんよ」
北陽は、柔らかい笑みをたたえていた。
「そうだね。向こうは5枚看板。はっきり言って、まともに戦えば全敗が濃厚だ。できるだけの作戦でぶつかっていくしかない」
こうして、オーダーは覚田に一任された。
ビッグ4チームも戻ってきた。オーダー表が交換され、対戦は次のようになった。
現役チーム 対 ビッグ4チーム
北陽 ‐ 野村
中野田 - 小北
佐谷 - 瓦
覚田 - 内子
福原 - 松野
安藤〇
夏島〇
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