第14話ヨルムガルド (1)
扉を開けた瞬間鼻を突き刺すような血の匂いが体育館から流れ込んできた。その匂いは後方にいる生徒たちにも届いたらしく嗚咽を漏らすものや鼻をつまんだりしているのがいた。
体育館内部は左右に体操服を着た生徒たちの死体が山になるように積まれており、その光景だけでも見ているだけで吐き気を催すほどだった。
「趣味が悪すぎるだろ……。デラクは透明化を使って奴の背後を取れ、奴の気は俺とナイトで引き受ける。」
デラクに指示を飛ばすと小さくコクリと頷き、霧のようにその場から気配を消した。
「さてナイト、行こうか。」
「かしこまりました。」
ナイトと一緒に体育館に足を踏み入れる。
瞬間、二つの死体の山に火が付き死体の山が激しく燃え上がる。
その光景に驚き、目を見開きその光景を眺めているとヨルムガルドはゆっくりと立ち上がるのが見える。
「グオオオォォォ――――!!!」
これからボス戦が始まるという合図のごとく雄叫びを上げ立ち上がるヨルムガルド。その目は燃えるように赤く、口元は笑っているようだった。
その声が聞こえた瞬間、俺は左の死体目掛けて突っ走っていた。狙いは火、なぜ火を目掛けたのかそれはヨルムガルドが火を苦手としているためである。だからこそ死体に火が付いた理由がわからなかったがその答えを考える時間は今はないのでただ火目掛けて走った。
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