第9話新たなる仲間(4)

 この子たちは……スライム種のライムと妖精種のデラク=イーレン。


 ライムはスライムというモンスターで液体状のよくあるスライムの中に核があり、性別や自己意思の様なものは存在せず基本的にはどんな攻撃でも倒せてしまうアオゲー内では最弱の生物だ。


 普通はこのように弱いのだがいろいろな方法を使い進化させ、このライムは万能な最弱ヴァ―サタイル・スライムと呼ばれる攻撃力はないが生産的な腕では類まれな才能を見せる万能型スライムだ。


 そして二人目、妖精種のデラク=イーレンはアオゲー内で希少種と呼ばれる滅多に会うことのできないレアモンスターで持っている元素の強力な魔法を自在に操るモンスターだ。俺の持っているこのデラクは雷元素持ちで、見た目は十歳前後の少年でかわいらしい見た目をしているが性格がとにかくひん曲がっていて好感度を上げるのにとにかく苦労したキャラだ。


「今召喚できるキャラはこの二人なのか?」


(ええ、今主あるじ様の能力はすべてに制限がかけられています。なぜ制限がかけられているのか、どうやって解くのかはわかりませんが今はその二人を召喚できるだけ良しとするべきでしょう。)


「そうだな。」


 さて、召喚しますか。


 俺は触れないが意識を向ければ反応する画面をタップし、二人の召喚を始める。どうもゲーム時代とは少し仕様が変わっておりタップすれば即召喚というわけでは無いらしくタップすると召喚ページと書かれた場所に飛び、ナイトが出てきた魔法陣とは少し違うが似ている魔法陣が現れた。


「召喚には術者の血が必要か……だから流れた血や服についた血が魔法陣に変わったのか。」


 俺は左手の親指の先を歯で小さく噛み千切る。すると少なからず血が出てきたのでそれを画面にある魔法陣に押し当てる。


 すると魔法陣は青色に光輝き辺り一面を覆い隠し、一瞬の静寂が訪れる。


「…………。」


 目を開けたとき目の前には二人が立ってた。


 一人はライムもう一人はデラク召喚可能欄にいた二人だ。すると二人は俺の前に膝をつきバッと俺の顔を見上げて言う。


「「我らがしゅじん・マスターに我らが力をたてまつる。我らがあるじの矛となりてあるじが敵を撃ち払らおう。あるじの傷は我らが傷、故にすべての攻撃から守り抜く盾となろう。我ら二名主の剣となり盾となりあなたの障害を排除する。どうぞあなた様の御心のままに。」」


 絶対的な信頼と忠誠心、ナイトからも感じていたそれは目の前にいる二人からも強く感じ取れた。


 新しい仲間ライムとデラクが俺のパティ―に新しく加わった。

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