第6話

 私が知る聖女は小説やコミック、または友人が遊んでたゲームの世界でしかないのよね。


 そもそも『聖女』とは、膨大な魔力を生まれながらに持っていて一般的な人間からしてみれば異質になる。そして、適正か否かを調べて適正ならば次の段階へ進める。もちろん、代々続いている聖女から力の継承を正しく受け継がなければ発揮されないし中途半端な状態で術を行使すれば命の危険に曝されると伝え聞く。


 聖女として使える属性は、『聖』に連なる癒しと結界である。

 これは、私が読んでいた小説にも書いてあったから多分合ってるはず・・・


 そう考えると私って、既に人間辞めてないかしら?


 だって、ほぼ不老で肉体に変化なし。さらに、自身のテリトリーを護る為とはいえ無属性・属性結界をスキルに設定してもらおうとしてる時点で人種を超えた最強種になってるわよね。これって、魔女であり不老不死であり聖女でありな一番危険人物になってるんじゃ・・・


 そんなことを悶々と考えていると神様から声を掛けられた。



『お待たせしました! 志嶺ゆきね様』


「そんなに待ってないわ。それで、私の要望は設定して下さるの?」


『はい、今回は特別に設定させていただきます。本来 結界は、どのような属性であっても神域に付随するもので初回で設定するのは出来ないんですが、僕達神々の巻き添えで命を中断させてしまったことですので可能な限り転生後の人生に組み込むようにと創造神様より仰せつかっております』


「そう。ありがとう」



 かなり無茶なことを言ってる自覚がある私は、短めにだけど心を込めてお礼の言葉を述べた。



『ふふ、お礼を言われるようなことはされていませんよ』


「私の我儘な要望を叶えて下さっているじゃないですか」


『それは当然のことだからですよ』



 巻き込まれで人生を途中リタイアしてしまった私に特典盛りに盛り込んでくれたのだから、やっぱりお礼の言葉は言って正解よね。





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『好きだと言われたけど、それ美味しいの?』と答えた結果、自分の周りは抜け殻になった異種族が壁画のようになっていました。 鴻上 紫苑 @shion-kougami

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