第5話

「生きてきた人生で最もその体重の時がベストなスタイルだったのよ」


『なるほど。わかりました!』



 生き生きとタッチパネルに触れる神様は、私の要望を聞き入れて設定している。



「(すっごく気になるけれどツッコんじゃダメ。ツッコんじゃダメ。ツッコんでは私は負けたような気がするわ。)」


『どうかいたしましたか?』


「い、いえ。何でもないわ」


『そうですか。魔法が使える国ですが、何か気になるスキルなどあればお聞きしますよ。設定に組み込むかは別として、ですが』



 にこやかにそう話す神様に疑問が浮かび、これだけは聞いておかなければという気持ちになるのは何故かしら。



「私、自分のテリトリーを侵されるのだけは嫌なのよねぇ」



 よく会社のお局様集団幸せを逃した行き遅れに自分のテリトリーを奪われてたから異世界でも同じようになるのは絶対にお断りだわ!



『ふむふむ』


「そうだわ!スキルでバリアってあるかしら?」


『はい、ありますよ』


「以前むかし、私の友達がやってたゲームで無属性バリアと属性バリアがあって現実でも欲しいなって思ってたのよね」


『無属性と属性バリアですね。う~ん、ちょっとお待ちくださいね・・・』


「えぇ、わかったわ」



 ワクワクドキドキしながらも、そんな浮かれた気持ちを悟られないように飲み物を口にする。

 まぁ、相手が神であるが故にそんな隠し事なんてお見通しなのでしょうね。。。


 そういえば、確かバリアって上位魔法に入るんじゃなかったかしら。

 ほぼ不老に近い外見を手に入れた状態で上位魔法を得意とする者って、国家レベルでいうと『聖女』しか使えないんじゃ・・・。

 あら?聖女よりも格上になってしまうわね。


 聖女は、神にも匹敵する上位魔法を駆使して国を守る代わりに代償として生命いのちを削っていくんですものね。そう考えると不老で上位魔法を使用できる私は種族的に何になるのかしら。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る