腐女子とエロ本(主に男女もの)
さて、私にとってBL、絶愛との出会いは、凄い興奮するエロ本を見つけた男子に近い感覚だったのかもしれないと書きましたが
私のエロ本との出会いについて、ちょっと書いていきたいと思います。
ちなみにこのエロ本は、男子がよく見る男女もののことです。
中学生男子が、思春期に女体に興味を持ちだし、エロ本を買ったり回し読みするとは、よく聞く話かと思いますが
実は、あくまでうちの中学に限ってのことかもしれませんが、女子もそれやってました。
私は中学時代、オタクなのになぜかテニス部に所属しておりまして
テニス部にはやはり、彼氏がいたり可愛かったりリア充な女の子が多いわけです。
その中に、ゆみちゃん(仮名)という、可愛らしくて男子にモテモテな女の子がいました。
その子がある日私に、今テニス部の何人かとエロ本の回し読みしてるんだけど、アンドウも見てみる?学校ではさすがに見れないけど貸すよと言ってきたのです。
私はその時、いいよいいよ!そんな、家に持って帰ってバレたら嫌だし!
と、ちょっと純情ぶってお断りしたのですが
実は自分、男子ともほとんど会話を交わす事もなかったくせにムッツリオタクでして、エロ本は小学生の時すでに履修済みでした。
私のうちには、父の弟である伯父が一緒に住んでいて、私と弟をとても可愛がってくれていたのですが
漫画好きだった伯父の部屋には、ちょっとエッチな青年誌から、手塚治虫先生のアドルフに告ぐや、ブッダのような作品まで、小学校中高学年の自分にはちょっと刺激は強いけど、面白い漫画が沢山あり
私は親や伯父の目を盗んでは、一人部屋に忍びこみそれらの本を読み漁っていたんですね。
そんな伯父も、ついに結婚し家を出て行くことになり、伯父の部屋を整理し片付けるべく祖母が掃除していた時、大量のエロ本がベッドの下から出てきたのです。
今思えばなんで伯父もちゃんと処分していかなかったのか?同居してた祖母もなぜ私達いるのにその辺に平気でエロ本おいといたのか謎ですが、そりゃ置いてあれば読みますよね(多分弟も見てたと思う)
まあ当然ですが、その時の衝撃もそりゃ相当なもんでした。
だって、ただやってる描写が延々と描かれてるわけですから、今までの青年誌やらなんやらで読んでいたエロとは比べものにならない。
とにかくとんでもなくエロいし刺激的
で、エロ本を見た時の女性の反応って人それぞれだと思うんです。
何しろそこに愛なんてありません、あるのは女体を思うままに蹂躙する男の欲望だけですから
なんなのこれ!気持ち悪い!と嫌悪感もあらわに拒否反応を示す女性もきっと多々いるでしょう。
しかし私は、普通に興奮しました。
男のようにおっぱいやお尻を見て興奮とかじゃないんですが。
まあこの、エロ本の何に興奮したのかは、後々自分の性癖に気づくまた別の話になっていくので、それはまた機会があったら書きたいと思います。
とにかくその時、めちゃくちゃ興奮した私は小学生にして隠れてエロ本を読むようになったわけですが、いっても所詮小学生なので、実は、具体的に何をしてるのかまでは分かってませんでした。
私が読んでたのはわりと修正してあるやつだったし、小学生の自分には、そこにそれを入れるって発想がまずないですから、絵の感じに興奮はするものの、ちゃんと理解はできてなかったんですね。
女の人がアンアン言ったり、辛そうにしてるのは、足開きすぎて痛いのかな?恥ずかしくて声でるのかな?と本当に本気で思っていたんです。
そこにきて、いわゆる性教育が始まりました。
女の子は4、5、6年あたりから早い子は生理がはじまり、身体も女性らしくなっていきます。
私達の小学校は確か林間学校の時だっかな?男子は部屋から出ていかされ女子だけまず生理の話を聞かされる。
そして兄や姉がいて色々知ってる男子が、帰ってきた女子に、何何?なんの話してたの?と馬鹿みたいに聞くというのがお決まりのパターンで
その後、保健体育で実際どのように子どもができるのか、具体的な性教育を受けて、性行為のやり方を知ります。
しかしですね、私エロ本見てたのに、エロ本で見ていた行為と、小学校で習う性行為が、全く結びつかなかったんですよ。
子ども作る時だけ入れるのかって、これまた本気で思ってたんですね。
そんな私も中学生になり、あ、小学生で習った性行為とエロ本でやってることって一緒だったのか!とようやく気づきます。
というのも、昔とある中学で、女の子が妊娠して堕しただか自殺しただかという噂が実しやかに流れまして
え?もしかして子ども作る気なくても入れちゃうの?
え?あのエロ本で描かれていたのはそれなの?
怖!結婚もしてないのに、子どもできるかもしれない行為を平気でやる男怖!
と、極端な方向に思考がいったわけです。
だがしかし、自分が性行為を実際には経験したくない分、漫画にはそれを求めたんですね。
まあ、まったくモテないどころか、男子に避けられるくらいの女だったので、男子と付き合って性行為する心配はご無用だったのですが
漫画なら傷つかないし、自分が実際怖い目に合うわけでもないし大丈夫!みたいな
だけど、正直もう、小学生で色々なエロ本読んでしまったせいか、普通の男女のエロ本読んでも、そこまで興奮しなくなってしまったんですよ。
多分思春期特有の性に対する嫌悪感も出てきてしまったんでしょうね。
そこで、中2の時、ゆみちゃんにエロ本貸してあげると言われたのに断る場面に戻るわけですが
その時にはすでに、男女のエロ本の愛のないやってるだけの漫画には飽きてしまっていまして
もっとこう、視覚的な性的興奮だけじゃなくて、精神的なカタルシスというか高揚感というか
そんな何かをエロ漫画に求め始めたんです。
その手始めが、少年ジャンプに連載されていた桂正和先生の電影少女でした。
これもかなり昔の漫画ですが、今も映像化されたりしてるんで、良かったら絵も綺麗だし読んでみてください。
あれはまさに恋愛と男子の性欲が赤裸々に、視覚的にもエロく美しく描かれていて、これもおー!となったんですが
やっぱりね、男子の女体に対する性欲と純粋な愛ってのが、小学生の時間違って先にエロ本読んじゃったからか、私の中で全く結びつかなかったんですよ。
うろ覚えなんですが、主人公の男の子が、愛ちゃんのこと好きなはずなのに、モエミちゃんも好きでやりたくて仕方なくなる場面とかあって
なんなんそれ?結局それ愛じゃなくて性欲じゃねえか!みたいな
男女の恋愛ってなんなんだ?
性欲ってなんなんだ?
そもそも恋愛と性欲って通ずるものなの?
とまあ、そこまで真剣に考えてはいませんでしたが
とにかく、中学生の狭い認識で、男子と付き合ったこともないくせに、男女の恋愛漫画は飽きたと偉そうに思っていたその時
男同士の恋愛を描いた絶愛が、スパーンと私の脳に入ってきたわけです。
私実は、この漫画読んで初めて、恋愛感情と性欲って繋がってるんだ!と思えたんですよ。
男が好みの女体に欲情するのって、もう至って普通のことじゃないですか。
それはもう、エロ本やらなんやらのおかげで十分理解してしまっていました。
だけど、この私が初めて読んだ絶愛では、主人公の人気歌手は女好きで男に興味なかったはずなのに
サッカー少年を好きになっていくうちに、本来欲情するはずのない男に性欲を抱くようになるわけで
今でこそBL漫画では当たり前によくあるパターンですが、30年くらい前は、多分そんなのなかったんです。
だからもう、絶愛読んだ時の私の興奮と言ったらなかったですね。
これよ!私が求めてたのこれ!
視覚的な性的興奮と、精神的な高揚両方くれるこれ最高!みたいな
自然の摂理を超えた愛と性欲を描いたこの作品に(いや、別に性欲描いたわけじゃないかもしれないけど)
私は、小学生の時初めてエロ本読んだ時にも似た興奮をもう一度味わったわけです。
しかも今度のは、ただ性的欲求で女な身体を蹂躙するのではなく、先に抑えられないほど好きだという愛がある。
まあね、いくら愛があったって、現実に無理矢理は絶対駄目ですよ。でも漫画ですから!
そう、漫画だから許してほしい。
こうしてすっかり絶愛にはまった私は、まだ中学生とゆう浅はかさから
いや、エロ本もいいけど、凄いそれ以上に面白い漫画があるよと、オタクでもない普通に彼氏いたりする友人にまで恥ずかしげもなく絶愛を勧めはじめました。
ゆみちゃんに貸したかどうかは覚えてないし、くまなく全員とかではないんですが
絶愛をクラスや部活の興味を持った友達に貸してたらいつのまにか、今誰の手元にあるかわからない回し読み状態になり
しまいには、クラスに、中野君(仮名)という中3で引っ越してきたばかりの小柄なごく普通の男の子であるにもかかわらず、なぜか不良少年達に中野さんと一目置かれ
私のような女子にも差別せず気軽に話しけけてくる少年がいたのですが
その中野君までその漫画貸してと言い出し
私はすっかり、デブ、ブス、オタクで剛毛な上に男同士の漫画なんて読んでるやばい女ということが、クラスに知れ渡ってしまいました。
まあしかし、私は求めていた漫画に出会えてそりゃ幸せでしたよ。
ただ、あの時別に漫画オタクでもない友人や、なぜか男の子まで貸してと言い読み出したというのは
エロ本を回し読みする感じに近かったんじゃないかと思うんですよね。
なんか珍しい種類のエロ本があるみたいよ。
え?じゃあ読んでみようかな、貸して貸して!みたいな。
だから私にとって、BLって崇高な尊いものとかじゃなくて、正直エロ本なんです。
と言っても、愛のない性欲だけで相手を蹂躙するのではなく、ちゃんと相手への愛はあるエロ本。
そんな訳で、私にとってBLは互いに愛のあるエロ本だという認識に、今も変わりはないんですが
次回は、男同士の友情を超えた崇高な関係に涙し
男同士の関係性の多様さに益々はまるきっかけとなったバナナフィッシュとの出会いについて書きたいと思います。
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