ひなたぼっこ生活 4日目

花粉…それは数多の人々を苦しめてきた

植物の雄蕊おしべから出る

微細な粉…

日本では主にスギ、ヒノキ、イネなどから

放射され雌蕊めしべに向かって飛んでゆく


その粉が人間の目や鼻に付着し

目の痒みや鼻づまり

くしゃみ、頭痛などを発生させる

ある種厄災のようなものである


そんな季節

窓を開け風を取り入れる

一族唯一重度の花粉症である

桜咲 日向さくら ひなたには

ひなたぼっこ&昼寝など

到底出来るはずもなく


押し寄せるくしゃみ鼻水

目の痒みに為す術なく

花粉に完敗していた


「へっくしゅん!ははっくしゅん!

ふぇっくしゅ!えっくしっ!ずビビ……

ふぇぇぇっくjoy!………………

うぅ……ヅライ…」



オッサンのような

少し汚いというか

性別を疑うようなくしゃみをして

花粉症に悩まされていた日向はこれでも

女子高校生の2年生だった

いわゆるJKというやつだった


しかしそこには女子としての面影はなく

ただただに完敗し

おっさんの如くクシャミをぶちかます

一人の人間だった


「……うぅ……ごゔづらいど

びなだぼっごもびるねもでぎない…

あぅぅ………寝れない……」


鼻をすすりどうやって寝るかを考えていた


1度ゴーグルにマスク

花粉症の薬など


対花粉症対策を整えるべきかと

真剣に考えたが

どうも金銭的に厳しく


また、そのような格好をすれば最後

気持ちよくは寝れない、という

快適快眠を目指した彼女は

最後も最後の切り札とし

別の方法を考えていた



あれこれ悩みに悩んだ結果

ある決断をすることにした


それは花粉症に強いからだを作ること

すなわちボディビル…


まず乳酸菌をとる

次に食物繊維をとる

最後に甜茶を飲む


乳酸菌は腸の環境を整える効果があり

腸が整うと免疫機能が

イイ感じになる


食物繊維は乳酸菌と同じく

腸の環境を整える効果があり

また、整えるだけではなく

乳酸菌の餌となる

善玉菌がうんたらかんたらして

イイ感じになる


甜茶とは中国の薬草茶の1つで

甘めのお茶

薬草100%だとノンカフェイン、ノンカロリー

ただし100%効くとは限らず

もしかしたら効くかも程度なので

気休め程度といったところである



「いざ、対花粉症作戦を開始する。」


「あらあら、日向ってば

そんな効くかもわからない、

時間もかかることを…

ひょっとしてアホの子なの〜?」


「実の娘になんてこと言いおるのここの親

親の顔が見て見たいわ…」


『呼んだかえ?日向よ』


(……まさか来るとは…………)


見計らったタイミングで

母の祖父母が部屋に入ってきた


『ほれほれ、ワシらの顔が見たいんじゃろ?

たーんとみるがいいさねぇ。はははははは。』


「あ…あぁ……、えぇ……

是非、そうしますおばあちゃま、おじいちゃま…」


『あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ

日春ひはるや、ワシらの孫が

こんなにもワシらを見つめとるわい、

これに優る嬉しさってのはなかなかないもんだ。』


「あらあら、お母さんでもそんなに

見つめられたことないのに……」


「いや、そんな落ち込まなくても…」


(ってか仲良いなあの祖父母は

なんで喋るタイミングも内容も

全く同じなんだろう…)


こうして日向の

対花粉症作戦の火蓋が切って落とされた


先の長い戦いである


※効き目が出るまでは念入りに掃除機をかけ

花粉症の薬を使いました。











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