ひなたぼっこ生活 3日目
日曜日しかひなたぼっこを
する時間の無い彼女は
雨という天気が憎い
暖かな木漏れ日もなく
ジメジメ べたべたと
布団に入りゆっくりするには
適さない天気
6日間今日のために頑張ってきたのに
癒しの日がそれでは絶望一色
青ざめた顔をして窓の外を見ていると
コンコンと部屋のドアが叩かれる
入ってきたのは母親だった
「おかーさん、何か用なの?」
「なになに〜?用でもなきゃ
おかーさん、娘の部屋にも入れないの〜?
あっ、それとも今取り込み中なのかしら〜。」
すごくニマニマしている
「別にそんなことはないない、ふたつの意味で。」
「それなら良かった〜
実は今日は、
あるアイテムを授けるために来たのよ〜」
「アイテム?」
なんだその言い方は
ゲームのCPUか
「タラるらったり〜
フ ト ン カ ン ソ ウ キ ィ ー」
テンション高いなぁこの母は
「これはねぇおかーさんがおばあちゃんから
授けられた我が一族に伝わる伝説のアイテムよ〜」
「そんなっ……まさかあの伝説の…!」
「そう、日向も知っている伝説のアレよ〜」
「ご説明いたします 我が一族に伝わる
伝説のアイテム其ノ壱とは
コンセントに繋ぎモードを選ぶと
太い筒の中から温風が発射され
その温風によってダニ退治やジメジメした
布団をお日様の下で干したかのごとく
乾燥させ心地よく寝ることの出来る
伝説のアイテムである。」
「あら、日向ってば窓の外に向かってブツブツと
あの日向がもしかして
幽霊のお友達でも出来たの〜?」
「サラッと酷いことを言わないでよおかーさん…
学校で友達くらいいるよ。」
「ならいいんだけどね〜
じゃあ気を取り直して
一族の伝説のアイテムを授けるわぁ〜」
「ご説明いたします
私の一族
代々ひなたぼっこをし
昼寝をするよく分からない週間が
物心着いた頃から始まるという
よく分からない一族です」
「あら、この子ったらまた天井に話しかけて
おかーさん心配だわ…」
「いや必要な説明だったから
それより早くこれ使いたいんだけど
一族がどうとか言ってたけど
特別なことしないと使えないとかあるの?」
「全くそんなことはないけど
コンセントに繋いでボタン押せば動くわよ〜」
「ぃ、そう」
「変な返事ね〜」
「いや拍子抜けしたというか
いやもういいや…」
ともかく これで今日も
日差しがなくとも
昼寝が出来る……
そう思いスイッチを押し待つこと30分
満足した顔で今日も昼寝をする日向であった
※ひなたぼっこは別になくてもいいらしいです
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