第9話
獣道で再開したヲサカナは
――瞬間。
何の前触れもなく、水圧が生じさせる重い音が前方から塊となって襲い掛かる。最初に遭遇した時と同じ攻撃手段。高速で撃ち出される
ぽた。ぽたぽたぽた。
既に出来上がりつつある
目の前に立ちはだかる存在の何たるかを、水の響きが助長して五感を束縛される。
「
飛沫が上がった。雨の灰色と血の褐色。その両方が勢いよく散る。
「ぃイぎいィい!」
高音域の雄叫び。それも錆と
しかし、その折りに放った長低級音波による
「あっ、がァ……っ!」
惜しくも胸部に直撃。装備していた調合薬は全て砕け散り、ベルトどころか服ごと焼き払われて燃え失せる。事前に仕込んでおいた
視界が赤く遮断され、けたたましい警告音と共に身体制御を奪われた。今現在、泥沼のような地面に突っ伏しているのか、立ち上がったままなのか。
それさえも、私には判断が付かなかった――。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます