第6話 切っ先の考えごと
私は道を往く。
街道を真っ直ぐ西へと。
道は概ね平野を進むものの、たまに山を越えたりもする。
そういった山道には、
「金目のモノを置いていきな。そうすりゃあ命までは取らねえでやるよ」
こういった野盗の類も出没する。
人間の敵は魔獣だけではない。人間もまた人間の敵になりうる。
私は街道の前後と両側の切り立った崖の上から全周包囲されていた。
「金目のモノどころか手荷物もほぼないですよー」
両手を挙げてフードを取って顔をみせると、
「おっと、女じゃねーか。一人旅とは危ないねえ」
「こんな別嬪さんとは俺たちツイてますねえ、お頭ァ」
「予定変更だ。お前さんには一緒に来てもらおうか」
そんな時間は無い。
「抵抗させてもらいますねー」
そんな私の言葉を冗談と思ったのか、馬鹿笑いをする野盗たち。
「ガハハハッ……は?」
もう遅い。
私は一番近くにいた野盗の目の前に移動を完了していた。
「はっ!」
一撃必倒。
やっぱり人間は、脆い。
これくらいの力でないと、壊れてしまう。
――手をぷらぷらさせて考える。
どこかに強く打てるものはないものか、と。
「ぶっちめろぉぁああぁぁぁっ!!」
思考は中断。
私は飛び掛かってくる野盗に向きなおった。
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