第3話 切っ先は西へ

 大きな建物から私は外に出た。


 闇夜にぽつぽつと明かりが見える。

 こんな時間でも結構明るい。

「今はこんな感じなんですねー」

 ……今? 今ってなんですかね。

 自分の言葉に疑問を抱く。

 けれど、答えは出てこない。

 考えても仕方のないことは考えない。


 私にしか感じ取れないお姉様の残滓を追って歩いていく。

 西へ、西へ。

 街道を歩いていく。

 のんびりと。

 でも休まずに。

 

 空が白みはじめて朝を迎える。

 街道沿いにまばらに建つ家々から人間が出てくる。

 そういう時間帯になっていた。


 すれ違う人間が変な顔で私を見てくる。

 歩みを止めない。

 気にしない。

 進む。


 その日の夜。

 私は戦闘の現場に遭遇した――

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