第2話 切っ先の服
私は広い広い空間の出口を求めた。
下りの階段がある。
とりあえず下りて行く。
最初は一段ずつ。
次は一段飛ばし。
徐々に飛ばす段数は増えて、最後には一足飛びに踊り場まで。
それでも階段は続く。
気ばかりが焦る。
かなり長い時間をかけて階段を降りた。
最初に居た場所よりも広い空間。
そこには一人の人間がいた。
兜。
鎧。
槍を持ち、腰には剣。
「衛兵かなー」
私の中の何かがそう囁く。
「あ、そうだ。服」
そういえば私は彼のような装備を何も身に付けていなかった。
つまりハダカ。
「おい! そこの女、どこから入って来た!? って全裸ぁ!?」
「あらー、見つかっちゃっいましたかー」
私はてくてくとその衛兵の人間の前まで歩いていき、
「ていっ」
と無造作に手を振った。
いわゆる掌底が彼の顎を真横から捉えていた。
「っ!?」
人間はここを横から強く打つと昏倒する。
そんなことを何故かしっていた。
私は彼の装備をはぎ取り、服を脱がせた。
鎧や兜は要らない。武器も要らない。
下に来ていた服を脱がせる。
着てみるとちょっと丈が足りなかった。
つんつるてんだ。
「ま、ハダカよりはいいですよねー。それじゃー」
私はその場を後にした、お姉様の力の残滓はまだまだ追える。
なるべく急ごう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます