第3話 Secret
私の想像では、地下は狭くて天井が低くて、埃っぽいと思ってた。
だけど、実際は違った。広かった。とてもとても広かった。
地上の家よりももっと大きな地下。
「すごく広い。多分うちより広いんじゃないか?」
「そうだ。この地下は庭も含めた家の敷地全てと同じ広さがある」
奥に見えるのは、水槽かしら?なんて大きいの。
「ねえお父様。あれは水槽?近くに見にいっていいかしら?」
「ああ、構わん」
私は水槽に駆け寄った。これは....魚ではないわ。
泳いでいるのは錆びた魚だった。金属でできているようだ。
「お父様。これは何?この部屋は何のためにあるの?」
父の顔はいつも厳しい顔をしている。今の質問に父は一層険しい顔をした。
「その話は私からするわ」
母だ。母はこの家を継いできた祖父母の実子だ。
母は、この家の歴史から話し始めた。
この家は明治時代から続く名家である事
分家が全国各地にあり、それを纏めるのがこの家だと言う事
天皇陛下の命令の下、任務を行うという事
この家業は絶対に天皇の許可なしに他には知られてはいけないと言う事
そして、人を抹殺する家業だという事
「急にこんな話をして驚いたと思う。簡単に言うと天皇様のために裏社会の汚い人達を消すのが、私達のやるべき事」
どういう事なの?裏社会?天皇様?分家?わからないわからないわからない。
「母さん。僕たちはそれを聞いてどうすればいいの?僕たちはこれから
人を殺さなきゃいけないという事か?」
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