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第１話目 九乃カナ様の『ちょっと気軽に時間旅行なんて』を引き継ぐカタチで第５話

０　話（はなし）に入（はい）る前（まえ）の予備知識（よびちしき）

　拙作（せっさく）、『マジカル♡ミラクル❄魔女（まじょ）っ子（こ）☆ゆきちゃん』シリーズに出（で）てくるキャラクターが登場（とうじょう）します。オリジナルはレイティングフル装備（そうび）。閲覧注意（えつらんちゅうい）⚠　興味（きょうみ）ない人（ひと）は読（よ）まなくて良（い）いです。メインの想定（そうてい）対象（たいしょう）読者（どくしゃ）は15〜24歳（さい）の男性（だんせい）。

　天城辰子（あまじょう たつこ）　享年（きょうねん）24歳（さい）、復活（ふっかつ）した実年齢（じつねんれい）1000歳以上（さいいじょう）、現在（げんざい）永遠（えいえん）の13歳（さい）として歳（とし）を取（と）ることがない身体（からだ）を持（も）つ。マジカル♡ミラクル❄魔女（まじょ）っ子（こ）☆ゆきちゃんに変身（へんしん）する。本作（ほんさく）に登場（とうじょう）するのは、『量子（りょうし）重力（じゅうりょく）魔法（まほう）』を操（あやつ）る最強（さいきょう）バージョン！　ジョジョ的（てき）にいうと、時（とき）を止（と）められるようになったスター○ラチナ状態（じょうたい）。

　にも関（かか）わらず、小説（しょうせつ）投稿（とうこう）サイト『カコヨモ』に連載中（れんさいちゅう）のエロース小説（しょうせつ）は、どんな凄（すご）い魔法（まほう）を使（つか）ってもフォロー読者（どくしゃ）が13人（にん）までしか増（ふ）えずお悩（なや）み中（ちゅう）。

　不治（ふじ）の病（やまい）『ヨマレナイ病（びょう）』は、カコヨモサイトにも蔓延（まんえん）しているようである。

　お兄（にい）ちゃん大好（だいす）きのブラコンである

天城優輝（あまじょう ゆうき）　三十代（さんじゅうだい）男性（だんせい）。生前（せいぜん）の妹（いもうと）より３歳（さい）歳上（としうえ）だった。魔法（まほう）によって少年戦士（しょうねんせんし）となると戦闘力（せんとうりょく）がアップする。なお、少年（しょうねん）戦士時（せんしじ）は、16歳（さい）の少年（しょうねん）の容姿（ようし）に変身（へんしん）する。

　ロリコンで変態（へんたい）でペドフィリア気味（ぎみ）である。

　謎（なぞ）の美幼女（びようじょ）　色々（いろいろ）謎（なぞ）の存在（そんざい）。今回（こんかい）はふたりを異世界（いせかい）に放（ほう）り込（こ）むとさっさと帰（かえ）ってしまった。しかも、無理（むり）やり連（つ）れて来（こ）られたのをふたりは認識（にんしき）出来（でき）なくなっていた。

１　第一（だいいち）被害者（ひがいしゃ）の現（あらわ）れる時間（じかん）

　事件（じけん）発生（はっせい）の現場（げんば）までやってきた。ここまででナガルの姿（すがた）を見（み）かけることはなかった。

　せっかくここまできたのだし、ひと目（め）見（み）られたらどんなに良（よ）かっただろうと思（おも）うけれど、俺（おれ）がここに来（き）た目的（もくてき）はナガルを見（み）ることじゃない。

　あの凄惨（せいさん）な過去（かこ）を変（か）えるために来（き）たんだ。

　かといって、犯人（はんにん）と戦（たたか）うための武器（ぶき）を持（も）ってきた訳（わけ）じゃない。

　格闘技（かくとうぎ）なども身（み）につけてはいない。

　第一（だいいち）被害者（ひがいしゃ）が現（あらわ）れる時間（じかん）まであと５分（ふん）だ。犯人（はんにん）――現時点（げんじてん）では罪（つみ）を犯（おか）していないから【犯人（はんにん）】というのはおかしいかもしれないが――は、もう近（ちか）くに現（あらわ）れているはず。どこだろうか。きょろきょろと辺（あた）りを見回（みまわ）す。

　見（み）つけてしまった。なんということだ。

　犯人（はんにん）ではない。ナガルの横顔（よこがお）を見（み）つけてしまったのだ。

２　同時刻（どうじこく）、異世界（いせかい）

「『高海（たかみ）』のソフトクリーム、美味（おい）しいね🍦」

「ああ」

　私（わたし）はソフトクリームを食（た）べながらお兄（にい）ちゃんと歩（ある）いていた。13歳（さい）の私（わたし）はともかく、30代（だい）のお兄（にい）ちゃんは何（なに）やら恥（は）ずかしそうだ。

　恥（は）ずかしがるお兄（にい）ちゃんも可愛（かわい）くて、キュンとしちゃう♡　今日（きょう）は両親（りょうしん）もいないことだし、おうちでむふふ……。

「ドジっ子（こ）発見（はっけん）！　ついてきて！」

　後（うし）ろから声（こえ）を掛（か）けられ振（ふ）り向（む）くといつぞやの美幼女（びようじょ）だ！　特徴的（とくちょうてき）な赤毛（あかげ）のおさげ髪（がみ）に園児（えんじ）の如（ごと）きスモック姿（すがた）の推定（すいてい）年齢（ねんれい）５歳児（さいじ）っぽい美幼女（びようじょ）がこちらに駆（か）けてくる。

「今日（きょう）は忙（いそが）しいんだから、また今度（こんど）に……」

「人（ひと）の命（いのち）がかかってるんだよ？」

「それはいかん！　この天城優輝（あまじょう ゆうき）めにお任（まか）せを！」

　というお兄（にい）ちゃんの鼻（はな）の下（した）が伸（の）びている。いくら相手（あいて）が美幼女（びようじょ）だからって、いくらお兄（にい）ちゃんが変態（へんたい）ロリコンペド野郎（やろう）だからって、私（わたし）の前（まえ）でそれは許（ゆる）さん！

　向（む）こうずねを思（おも）いっきり蹴飛（けと）ばしてやると、お兄（にい）ちゃんは声（こえ）にならない声（こえ）を出（だ）して蹲（うずくま）った。右（みぎ）のすねに手（て）をやって悶絶（もんぜつ）している。その目（め）には涙（なみだ）が溢（あふ）れんばかりで。あ、つーっと糸（いと）を引（ひ）いた。

　お兄（にい）ちゃんがよその子（こ）に鼻（はな）の下（した）伸（の）ばすから悪（わる）いんだからね。

　……と、辺（あた）りが騒（さわ）がしい。どこか見知（みし）らぬ公園（こうえん）にいるみたいだ。

「通（とお）り魔（ま）だ！　向（む）こうで人（ひと）が刺（さ）されたらしい」

　お兄（にい）ちゃんが立（た）ち上（あ）がる。戦（たたか）うときの表情（ひょうじょう）をしていた。かっこいい♡

　……とそれどころじゃなかった。ソフトクリームの残（のこ）り２cm（センチメートル）となったコーンを口（くち）に放（ほう）り込（こ）み、騒（さわ）ぎの中心（ちゅうしん）へと向（む）かった。

３　少（すこ）し遡（さかのぼ）る

　ナガルに近寄（ちかよ）ろうとしたとき、

「きゃああぁぁ――――っ！」

と叫（さけ）び声（ごえ）が聞（き）こえた。そちらを見（み）ると刃物（はもの）を持（も）った男（おとこ）の姿（すがた）があった。人々（ひとびと）が男（おとこ）から離（はな）れていく。

　男（おとこ）はまだ、事態（じたい）を把握（はあく）していない様子（ようす）のナガルの方（ほう）へと走（はし）る。まずい。俺（おれ）も駆（か）けたが相手（あいて）が速（はや）い。思（おも）わず、

「ナガル危（あぶ）ないっ！」

と叫（さけ）んでしまった。声（こえ）に立（た）ち止（ど）まる。最悪（さいあく）だ。

　通（とお）り魔男（まおとこ）の持（も）った刃物（はもの）がナガルに迫（せま）る。

「弱者（じゃくしゃ）は死（し）ねっ！」

　鮮血（せんけつ）が飛（と）び散（ち）った！

４　回復呪文（ベ　○　イ　ミ）とお兄（にい）ちゃんの活躍（かつやく）

「辰子（たつこ）っ！　これやる！」

　の声（こえ）とともに飛（と）んできたのはソフトクリーム。って、コーンとクリーム部分（ぶぶん）が分離（ぶんり）しちゃってるじゃん！　もうっ！

　クリームとコーンは近付（ちかづ）きながら私（わたし）の方（ほう）へ飛（と）んできて、私（わたし）がコーンを摑（つか）むとケン玉（だま）の要領（ようりょう）でクリームが上（うえ）に乗（の）っかってドッキング完了（かんりょう）♪。

　間（ま）もなく、惨劇（さんげき）の舞台（ぶたい）が見（み）えてきた。男性（だんせい）が刃物（はもの）を持（も）った男（おとこ）にしがみつき、男（おとこ）は逆手（さかて）に持（も）った刃物（はもの）で男性（だんせい）の背中（せなか）を何ヶ所（なんかしょ）もめった刺（ざ）しにしている。

　(これは助（たす）からないやつだ)

　私（わたし）がいなければの話（はなし）だけれどね。

　ソフトクリームを左手側（ひだりてがわ）の宙空に置き、両手（りょうて）で印（いん）を結（むすび）びつつ呪文（じゅもん）を唱（とな）えた。回復呪文（ベ　ホ　○　ミ）。これで大丈夫（だいじょうぶ）☆　普通（ふつう）の人間（にんげん）なら100％（ひゃくパー）体力（たいりょく）が回復（かいふく）する。

　私（わたし）は宙空（ちゅうくう）のソフトクリームを手（て）に取（と）って、口（くち）に含（ふく）んだ。うん、美味（おい）しい♪

　私（わたし）がソフトクリームを口（くち）に含（ふく）むのとほぼ同（おな）じタイミングで、お兄（にい）ちゃんは飛（と）び上（あ）がって、男（おとこ）の刃物（はもの）を蹴（け）り落（お）とした。

　男（おとこ）は携（たずさ）えていた予備（よび）の刃物（はもの）を取（と）り出（だ）すも右手（みぎて）が使（つか）い物（もの）にならないらしく、左手（ひだりて）に持（も）ってお兄（にい）ちゃんに迫（せま）るけれど、お兄（にい）ちゃんは造作（ぞうさ）もなくその左手首（ひだりてくび）を摑（つか）んで上（うえ）に突（つ）き上（あ）げる。同時（どうじ）に左手（ひだりて）で軽（かる）く放（はな）ったジャブが男（おとこ）の鼻（はな）っ柱（ぱしら）にヒット。刃物（はもの）が手（て）からチカラなく滑（すべ）り落（お）ちる。意識（いしき）はなさそう。鼻血（はなぢ）が凄（すご）いな〜。一応（いちおう）小回復呪文（ホ　　イ　　ミ）掛（か）けとこう。

　周（まわ）りから歓声（かんせい）が上（あ）がる。

　通（とお）り魔男（まおとこ）は身長（しんちょう）180（ひゃくはちじゅっ）cm（センチメートル）を優（ゆう）に超（こ）える大柄（おおがら）で、対（たい）するお兄（にい）ちゃんは165cm（センチメートル）と小柄（こがら）で弱（よわ）っちそうに見（み）えるだろうけれど。

　でもうちのお兄（にい）ちゃん、素手（すで）で体重（たいじゅう）300（さんびゃっ）kg（キログラム）のヒグマと殴（なぐ）り合（あ）いのケンカ出来（でき）ますから♪

　お兄（にい）ちゃんはその場（ば）に男（おとこ）を寝（ね）かせると、被害者（ひがいしゃ）男性（だんせい）の方（ほう）へ向（む）かった。私（わたし）もそのあとを追（お）う。

「手遅（ておく）れだったようだな？」

「そだね★」

　被害者（ひがいしゃ）男性（だんせい）は息（いき）をしていなかった。

５　取（と）り敢（あ）えず、時間よ止まれ（スタープラチナ・ザ○ワールド）！

　周（まわ）りが騒（さわ）がしくては効率（こうりつ）が悪（わる）いから、時間（じかん）を60秒程（びょうほど）止（と）めておいた。実（じつ）は、この表現（ひょうげん）は正確性（せいかくせい）を欠（か）くのだけれど、説明（せつめい）するのは煩（わずら）わしいし、説明（せつめい）するメリットもほぼない。『60秒（びょう）時間（じかん）を止（と）めた』はイメージしやすいし、その理解（りかい）でなんら問題（もんだい）があるとは思（おも）わないのでそういうことにしておこう。文句（もんく）言（い）うのは相対性（そうたいせい）理論（りろん）とかに、やたらこだわりのある人（ひと）だろうしね♪　そゆ人（ひと）は、私（わたし）が説明（せつめい）しなくても自分（じぶん）でわかってるだろうから。

　閑話休題（かんわきゅうだい）。

　死（し）んでしまっていても、まだ手（て）はある。死者蘇生呪文（ザ　　○　　リ　　ク）は普通（ふつう）の人間（にんげん）には効力（こうりょく）がないけれど、私（わたし）ならいくらでも方法（ほうほう）がある。

　私（わたし）の量子（りょうし）重力（じゅうりょく）魔法（まほう）は、端的（たんてき）にいって時空（じくう）を自在（じざい）に操（あやつ）れる。

　もちろん、虚数（きょすう）時間（じかん）を生（う）み出（だ）して時間（じかん）を遡（さかのぼ）らせることなど、お茶（ちゃ）の子（こ）さいさい。

　被害者（ひがいしゃ）を蘇（よみがえ）らせようと思（おも）ったところで、ふとあることに気（き）がついた。

(この人（ひと）、もうひとりいる)

　少（すこ）し離（はな）れたところにいる男性（だんせい）。連（つ）れの女性（じょせい）が腕（うで）にケガをしているようで、ハンカチが真（ま）っ赤（か）に染（そ）まっている。けれども、命（いのち）に別状（べつじょう）はなさそうだ。

　で、その男性（だんせい）の方（ほう）が、この被害者（ひがいしゃ）と同一人物（どういつじんぶつ）だ。年齢（ねんれい）や容姿（ようし）はずいぶん違（ちが）う。けれども、私（わたし）にはわかる。ひょっとして？

　私（わたし）は、情報収集呪文（シリタイコ・トシール）を唱（とな）えた。刹那（せつな）、膨大（ぼうだい）な量（りょう）の情報（じょうほう）が頭（あたま）に飛（と）び込（こ）んできて。

　私（わたし）は理解（りかい）した。時間（じかん）が動（うご）きだす。

「お兄（にい）ちゃん、その男（おとこ）の人（ひと）をおうちに帰（かえ）してあげよう☆　その前（まえ）に、イッセキちゃんを探（さが）さなくっちゃ」

６　重（かさ）ね合（あ）わせ

　俺（おれ）が目（め）を覚（さ）ましたのは、時間（じかん）旅行前（りょこうまえ）に住（す）んでいた部屋（へや）の中（なか）だった。イッセキが『にゃ〜ん』とご飯（はん）をねだる。

　確（たし）か俺（おれ）は時間（じかん）旅行（りょこう）をしたはず！？

　夢（ゆめ）とかそういうのではないはずだ。

　あれから、ナガルはどうなった？

　その時（とき）思考（しこう）が流（なが）れ込（こ）んできた。

――ナガルはあのとき、通（とお）り魔（ま）から一番最初に切りつけられて腕を負傷したが病院（びょういん）で手当（てあて）を受（う）けたときには、ほとんど傷口（きずぐち）は塞（ふさ）がっていた。

　事件（じけん）はひとりの死者（ししゃ）を出（だ）したが、通（とお）り魔男（まおとこ）は近（ちか）くにいた男性（だんせい）に取（と）り押（お）さえられた。

　被害者（ひがいしゃ）男性（だんせい）の身元（みもと）は不明（ふめい）。その後（ご）判明（はんめい）したかどうかは定（さだ）かではない。

　一週間後（いっしゅうかんご）に改（あらた）めてウエディングドレスの試着（しちゃく）に出掛（でか）け、やがて結婚（けっこん）。男（おとこ）の子（こ）を授（さず）かり、現在（げんざい）はやや倦怠気味（けんたいぎみ）ではあるが、夫婦仲（ふうふなか）は悪（わる）くない。今現在（いまげんざい）は――

　俺の記憶にない俺の記憶がすらすらと流（なが）れ込（こ）んでくる。植（う）えつけられたニセの記憶（きおく）というのではない。

　科学者（かがくしゃ）にあるまじき発言（はつげん）をするならば、パラレルワールドにいるもうひとりの記憶（きおく）がそのまま引（ひ）き出（だ）されているようである。

　ああ、そういうことなのだろう。涙（なみだ）が止（と）まらなかった。凍（こお）りついていた時間（じかん）は俺（おれ）の時間旅行（じかんりょこう）をきっかけに動（うご）き出（だ）したのであろう。

　犠牲（ぎせい）になった身元（みもと）不明（ふめい）男性（だんせい）というのは俺（おれ）のことなのだろう。

　それにしても、どうして俺（おれ）は……。ここが天国（てんごく）なのか？

「にゃ〜ん、にゃーにゃー」

「悪（わる）い悪（わる）い。今（いま）ご飯（はん）を用意（ようい）するからな、イッセキ……」

　その瞬間（しゅんかん）、息子（むすこ）の顔（かお）が浮（う）かんだ。いや、もうひとりの俺（おれ）とナガルの間（あいだ）に生（う）まれた男（おとこ）の子（こ）の顔（かお）だ。名前（なまえ）はイッセキ……。

　テーブルの上（うえ）には手紙（てがみ）が置（お）いてあり、要約（ようやく）すると、

『俺（おれ）の蘇生（そせい）及（およ）び治療費（ちりょうひ）とここまで送（おく）り届（とど）けた代価（だいか）としてタイムマシンは頂（いただ）いておく』

とのことであった。あとは、『お釣（つ）り』と称（しょう）した、数ヶ月分（すうかげつぶん）の生活費（せいかつひ）相当（そうとう）の金銭（きんせん）。

　タイムマシンに費（つい）やした金銭（きんせん）と比（くら）べると微々（びび）たるものだが。

　まあ、ナガルが助（たす）かったのであれば良（よ）いか？

７　タイムマシンは解体（かいたい）され材料費（ざいりょうひ）のみの捨（す）て値（ね）で売（う）り飛（と）ばされていた

「さすがにこれじゃ少（すく）なすぎるよね？　私（わたし）の持（も）ってる宝石（ほうせき）をいくつか売（う）ってお金（かね）に変（か）えるよ💎」

「ただ働（ばたら）きどころかマイナスかよ」

「良（い）いの。この宝石（ほうせき）だって元（もと）はといえば、あのちび娘（むすめ）にもらった魔法（まほう）で稼（かせ）いだものだからね。タイムマシン取（と）り上（あ）げて、当面（とうめん）の生活費（せいかつひ）くらい渡（わた）してあげないと可哀想（かわいそう）じゃん？」

　実（じつ）は『お釣（つ）り』は、タイムマシンとその魔女（まじょ）っ子（こ）☆の持（も）っていた宝石（ほうせき）の代価（だいか）であったのを、彼（かれ）が知（し）る術（すべ）はなかった。

　おしまい