第39話 ダンジョンに出会いがあるんですか?
今更ではあるがこの世界の実力者は様々な
ウシオなら【
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傭兵の里サジタリウス 冒険者ギルド本部3階
「申し遅れました、私は冒険者ギルドサジタリウス本部ギルド長を務めます【緑将】のアレクと申します。」
「今日は【赤龍】のはおらぬのか?」
「まぁ、あの人は同じ場所に留まるのが大嫌いですからね・・・最後に見かけたのが一週間ほど前に家族に顔を出すのに戻っていた時ですので今ごろは山脈を超えて魔国に入ってるかと思われます。」
「【赤龍】?」
「ギルドは国には属さぬのは知っておるな?そしてそんな世界中にあるギルドを統括するのがここ傭兵の里にあるギルド本部なのじゃ。そこな【緑将】はいわば妾と同じギルド支部長、【赤龍】はギルド統括という一番上の役職じゃな。」
「実際何かに縛られるのを大変嫌がる人でして・・・アポ無しで彼に会える確率は千に一つでしょうね。
いや、脱線しました。今は【翡翠の風】のお話でしたね。」
そのときドアを開けてお茶を運んでくるとてもキレイなエルフの女性。配り終えるとアレクさんにウインクして出ていってしまった。
「祖母です・・・。」
「・・・嘘でしょう・・・!?」
「コホン・・・彼ら翡翠の風は私の弟レイドがリーダーのクラン、冒険者パーティがいくつか集まったものでして特に彼らはエルフの中でも若く浅慮で粗暴な者たちばかりが集まった問題クランなのです。しかしまさかあんな首輪を本人の同意もなく使ったり平気でほかの冒険者に害を為そうとするなどあそこまで堕落してしまっていたとは・・・責任持って罰を与えましょう。」
なんだか今日出会ったエルフで理知的というか、イメージ通りのエルフらしいエルフはアレクさんだけだな・・・。むしろああいうのはダークエルフとかに多そうな気もする。
「そうだ【緑将】の、レイドが口走った『あのアマ』とやらに心当たりはないかのう?」
「女性ですかね?確かにここの所なにか怪しげな黒いローブ姿の人物が次いで目撃されているようです。恐らくは彼らに何かしら接触し悪影響を与えた可能性もあります。」
「あの首輪とか、です?」
「君が最近噂のB級スタートの冒険者かな?」
「そうです、ユウスケ・エドガワと言います。ウシオも言っていた例の首輪ってのはなんなんです?」
「ええ、アレはダンジョン由来の魔道具でも
【オーパーツ】
俺たちの世界では発掘された時代にはそぐわない技術力の物体を指すが、この世界ではダンジョンで発見された現在の技術力では再現不可能なまさに規格外のアイテムを指す。
それは獣王国で見たあの十字架のように半ば呪いのアイテムにも思えるような能力を秘めているものもある。
「犯罪奴隷というものは獣人やヒューマンの収める国であれば見かけるかも知れませんが、森林国では奴隷商というものがいるのです。それこそ表立って店を構えている者はいないでしょうがどこからか連れてきてオークションで奴隷を販売する者は確かに存在しています。」
そしてよく需要と供給が成り立つことから売るものも買うものも後を絶たない、と言ってレイドはため息をつく。
あの首輪は奴隷となった者に反逆の念を抱かせない精神呪縛の効果を持ったオーパーツの劣化コピーらしい。しかし本物ならいざ知らず、何もしていない者に対してそんな強制力は持っていないので仮に嵌められてしまったとしてもあまり意味はなかったらしい。本当に無知な連中なんだな・・・。
「そうだ、俺たちの目的はダンジョンに挑戦する事なんですが何かしら条件とかはあるんですか?」
「おお、そういう事でしたら問題ありません。」と言って一旦立ち上がったアレクさんはサイドテーブルから数個の腕輪を取り出して戻ってくる。
「これは初級の探査魔術がかかった腕輪でして、ダンジョンに挑戦する際に必ず身につけて頂く最低条件のアイテムです。これを全員分は用意出来ませんがお渡ししましょう。迷宮に挑戦して
ダンジョンに潜る者の目的はオーパーツや装備品を狙うトレジャーハンターの他にそういった帰還困難者を探して保護する者たちもいて、そういったクエストをギルドが発注するのだという。
中には
「ちなみに最低条件ってことは他にもなにかあったりするんですか?」
「なるほど、流石はかの【白面】がパーティに加わるほどの人材ということですね。こういった物を所持していても挑戦権は得られるのです。」と言ってビー玉のような物を一つ取り出すアレク。
「これは大変貴重なアイテムで、【帰還の宝珠】と呼ばれる物です。使用できるのは一度だけですがこれを砕くことで使用者と身体の触れた者を瞬時にダンジョンの入口付近まで転移させる貴重品です。私が所持するのはこれ一個だけですがお渡ししましょう。」
【
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