第25話 壊滅的な食べ物事情なんですか!?
獣王国、始まりの町ラタトスク。
「ここが獣人の国か・・・確かにバランやクロノスにも獣人は少なくなかったけどこっちじゃ大部分が獣人なんだな。」
「当たり前じゃろう、ここなら堂々と尻尾を出せるわ。」
宿を求めて歩いていていく六人。
馬車は町の入口で預けてある。
ウシオは幼女の姿だ。ただ普段と違うのは隠していた九本の立派な尾をフリフリしながら歩いているということだ。かえで、ステイ。今ならもれなく幼女を狙う変な女になるぞ?
「そういやこの国の美味いものってなんだ?」
「物見遊山か!そうじゃの、この国にはクロノスには無い海と休火山がある。」
「ってことは・・・新鮮な海の幸と温泉だな!?」
「フフん、さすがは日ノ本の民よな♪♪」
「わーいお刺身ー!温泉たまごー!」
「わーいなんだそれー!かえでが喜ぶならうまいんだろーなー!!」
そんな話をしたら腹が減ってきた。なんでも旧知の仲らしいここのギルド長に挨拶をしに行く予定だったが先に腹ごなしだ!と意気込んで近くの食堂に入ったのだが・・・。
「えっ、魚が無いのか!?」
「やっぱり獣王国に来たなら美味しい魚を期待しちゃうわよねぇ、ゴメンなさいね?」
そう答えたのはやたら色気のある食堂のお姉さんだ。
「あんまり詳しいことは分からないけどぉ、なんか最近港のある街からお魚がはいって来ないのよ。あ、でもでも日持ちする物ならまだあるから食べてってね?」
そうして俺たちは脂が乗った一夜干し定食を頂いたのだった・・・しかし美味しい焼いた魚があるのに白米が無いのは解せぬ。
「ふーむ、せっかく美味しいお魚があるのにやっぱりパンじゃイマイチだねー。悠介、これは農業チートの香りがするのでは?」
「アホ、旅ばっかしてる俺たちにんなもん出来るか。お前田んぼに入ったことすらないだろ?」
「ふむ、コメ自体はある事はあるのじゃがどうしても食いたいのならお主が魔法で出せばよかろう?」
「それじゃダメなんだよ・・・。」
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俺の【
昨日ふとピザが食べたくなった俺はもしかしたらとデリバリーアプリを使ってみたのだがあえなく敗退、しっかりと配達圏外と出てしまったのである。仕方ないからと冷凍ピザを買ってみたが当然電子レンジの魔道具などない、安物の電子レンジを買うもコンセントがまず無いという負のスパイラルのに突入したのだった・・・ちなみに冷凍ピザはそのままクロがうまいうまいと言って完食しました。
なら【再現】で、とそこで宅配ピザをまともに食べた覚えが無いことに気づいたのである。
俺はいままでなんとバラエティーに富まないメシばっか食ってきたのかとかなり後悔した。
「俺は食ったことの無い美味いものが食べたい!」
前も言った通りうちのパーティの食事は誰かに作ってもらわないと壊滅的である。
ウシオとシルバーは多少知っていると言うから任せてみると出来上がったのはお酒を美味しく飲むための癖の強いツマミばかり。
クロとアリスは論外、かえでは俺と同レベルなので同じく作れない。
上手いこと料理のできる仲間が現れないだろうか・・・。
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「おお、よく来たな【
そう声を上げたのはラタトスクギルド長の【
獣人は
「しかしどうしたと言うのだ、獣王国のウリである美味い魚が食えんとは。」
「それなぁ、なんでも一番近い港街の近海ににクラーケンが出たとかでな・・・大暴れしてる訳じゃないんだが漁船を出そうとすると威嚇したり船をひっくり返そうとしてくるらしくて手が出せないんだ。」
ならば次の目的地は海だな!
もしかしたら人魚とかもいるかもしれない!!
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