第24話 恐竜をテイムするゲームばかりするドラゴンがいるの?
スマホ講座の第二弾はまだ楽なほうだった。
「ボクにも頂けるんですね、やはりユウスケ様は心優しい・・・傭兵ギルドではこのように優しい方はいませんね・・・。」
そうしみじみ感謝の念を述べるのは褐色ギャルのような風貌のボクっ娘アラクネのアリアドネ(アリス)である。
初めてのクエストで攫われていたので姫騎士みたいな印象が強すぎる。
やや軽く見えるのは風貌だけであって、性格も装備も侍や大和撫子といったキリッとした印象である。
「ふむふむ、それだけ喜んでいただければ昨夜ようやく思い出してご用意した甲斐がありましたね。」
「ん?シルバーがスマホ用意してくれたのか?」
「ええ、今更ではありますがあなた方を無理やり連れてきてしまったのはわたくしですからね。」
全ての元凶はお前だろうに。
こいつはシルバー、この世界の女神である。本来であれば最初に俺とかえでを呼んだ神界?のようなところから出られずこの世界に直接手出し出来ないはずが、間違って一緒にワープしてしまい帰れなくなった駄女神である。なんでもそれぞれの世界間の移動は一方通行で簡単にはいかないらいしい。
「いやー、悠介さんの世界を覗いたことは
コンコンッ
ふと叩かれたような音に外を見ると一羽の鳥が開けてもらいたそうにガラス窓をノックしている。たぶん伝書鳩のようだ。
あまり気にしてなかったが普通にガラスがあるんだなと思いつつ開けると一直線にウシオの元に飛んでいき頭に着陸した。
明らかに嫌そうな顔をしたウシオ、やはり用があるのは彼女に対してのようだ、しばらく無視をしていた彼女の頭をつつき手紙を取るように促す。
「あちゃー、バレてしもうたか。」
「なんだって?」
「アイムのヤツめに式神一号のことがバレてしもうたらしい・・・。そして何処かに行ったとするなら王都じゃないか?と目星をつけこの子を寄越したそうじゃ。」
手紙を見せてもらうと怒っているというよりかは丁度いいのでそのまま獣王国フェンリルに向かってくれとの事だ。少々きな臭いことになっているとの事で現地のギルド長から話を聞いてもらい解決に動いていただきたいという内容だった。
「それこそスマホが至る所にあれば伝書鳩など廃れてしまうのにのう!」
「いや、俺たちの時代には周りで持ってない奴を探すほうが難しいくらい普及してるんだぞソレ。伝書鳩なんて今じゃ趣味程度のもんだ。」
「なんと!?・・・うーむ、通話だけでも出来るような魔道具が作れぬものか・・・。」
「で、このまま獣王国行くんだろ?」
「ぬ?付きおうてくれるのか?」
「渡りに船だろ?」「フフ、小癪な。」
こうして俺たちの獣王国行きが決定した。またタラスクに頑張ってもらおう。
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翌日には王都で新調した地竜用の少し大きめな馬車にみんなで乗り込んで出発する。御者は俺もやってみたかったので持ち回りですることにした。食事や荷物は【
そうしてクロに襲われた村を通り過ぎるとあとは明確な国境の壁などはなく、地図上の境目に関所のようなものが点在するくらいらしい。なるほど、余程負い目がない他にはここを通っていくのが暗黙のルールとのこと。
そうして衛兵の所までやってくる。
「これより先は獣王国フェンリルです。む、女性ばかりのパーティですか?今はスピア連山に毒竜が現れたとの目撃報告もありますのでよっぽどの事がない限りは近寄ることの無いようお願いします。」
「ありがとさん。」
チップに金貨を手渡し馬車に戻る。
「なあなあ!ドラゴンがいるってホントかな!?山よってこうユウスケ!!」
「多分お前の事だよ。」
「ん?・・・アタシを見たってだけかーつまんなーい。」
そういうとクロはまた奥でかえでとYOtubeを見始めた。なんでも自分そっくりのAtuberというアニメキャラの絵を動かして動画を撮る配信者を見ているらしい。最近はそういうのが多いそうで、馬車の中での暇つぶしとなっているようだ。
ウシオはといえば九尾の姿となって馬車の中に収まるサイズでみんなのクッション代わりになっていた。普通に乗るよりもその方が安定するのでいい塩梅らしい。シルバーは尻尾に包まれて溺れる夢でも見てるのか時折もがいている。
「ユウスケ様も飲み込みが早い、もう手綱の扱いも慣れたものです。」
「タラスクが頭いいだけだろ?」
「それもありますがやはりあなた様を信頼しているのですよ。」
教えてくれるのはアリスだ。彼女の
少し近い気もするが、何だか柔らかいものを肩に押し付けられてる気もするが気にしないことにする。
あとは盗賊に襲われることも無く、(主に暇を持て余したクロが)途中魔物を狩ってキャンプしたりしつつ順調に獣王国最初の宿場町に数日で到達した。
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