第23話 ガチャを回してもスキルとか手に入りませんよね?
「それにしても良かったぁー、半月もトイッター見れないなんて死ぬかと思ったよー・・・。」
「どうせ書き込みも出来ないならんなもんあったってしょうがないだろうが。」
すっかり懐かれたようで俺に甘えて膝の中で上機嫌に俺たちの操作するスマホを眺めるクロ。
俺たちは王都での宿の代わりにと提供された、王城内の主に他所の国の王族などを招いた際に使われる屋敷を借りて、今日ぐらいはとリビングで寛いでいた。
「んでかえでのスマホは何が出来るの?」
「んーとね、」スイッスイッスイ
「なーなー、アタシもすいすいってのしたいー。」
「おお、なら妾もそれが欲しいぞ。」
と、声を上げたのはクロとウシオ。
クロはドラゴンハーフの少女で子供のように見えるがその実俺たち大学生になったばかりの2人より余程長年生きている。なんでアリスもこいつもテイムしたのはかえでなのに俺に懐いてるのか。
ウシオはこの世界には珍しい狐の獣人である。しかし実際は俺たちのいた日本から1000年以上前にウィトルースにやってきた有名すぎる九尾の狐そのものである。バランのギルドのギルド長なのだがこっそりと俺たちと王都クロノスの王、ドライグ・リチャード・クロノスを助けるために行動していた。
「ふーむ、出来るかなぁ?」
一応スマホが買えるくらいの金はスマホに入れてあるが・・・そういやショップアプリはTamazonが入ってるのでそれを起動するとスマホの本体を検索してみる。
するとさすがに高額ではあるがなかなか色々な機種がありよりどりみどりだ。
クロにはキッズスマホ、ウシオには軽く扱い易い物がいいだろう。それにシルバーとアリスだけ仲間はずれも可哀想だ。
そうして注文するとーー途端に目の前のテーブルへポンっと段ボール箱が四つ現れた。
「な、なんじゃあ!?一瞬魔力が渦巻いたと思ったら突然箱が出たのか??」
「おーこれも魔術なんだな!」
「おお・・・あ、しっかりスマホに入れといた金が減ってる。」
電子マネーの画面にするとしっかりスマホ分の金が引かれてるのが見て取れた。
早速商品を取り出そうと箱を開けると・・・ん?
「これがスイスイ出来るやつかー面白いぞー!」
クロはほっとこう、箱を開封することなく遊んでいる。
「ふむ、これがすまぁとほんなるものか。おおっ?片側が光ったぞ?」
「そういうもんだよ。これは大元は通信機器なんだよ。」
「魔道具のようなものか?」
この世界では電化製品など当然無いが、その代わりとして魔力を注ぎ込んだ精霊石や魔石を燃料として動く魔道具が広く普及している。
氷の魔術を込めれば冷蔵庫が、鍋の底に炎の魔石を仕込めばコンロも要らないフライパンが・・・などそれこそ簡易的なものならば貴族だけでなく庶民の手にも渡っているのだ。
「しかし雷や音波を操る仙術を込めた石を作ろうとそれを応用するような魔道具はイマイチ流行っておらぬ。そもそも我らと同じ世を故郷とする【
「それってまず居ないんだろ?」
「まあよい、してお知らせとはなんじゃ?」と俺にスマホを渡してきたので画面を見てみる。
『当スマートフォンをお買い上げ頂きありがとうございます。』
『当スマートフォンは本世界ウィトルースに対応致しました。この世界に六台のみのスマートフォン間でのみ通話及びメールやチャット通信が可能です。』
『当スマートフォンは(ry・・・などと、俺のスマホにも現れた
そうしてクロのスマホも開封してやって説明していると・・・
「何?電話なるもので世界の裏側にいようと瞬時に会話が成り立つとな!?そして書くことも無く文字を送信して相手と会話出来る・・・じゃと・・・?もしそんなものがあればあの時あれば・・・ブツブツ・・・。」
「電話はよくわからないけどこのシャンシャン音がでるゲーム?たのしいぞー!ありがとうユウスケ!」
ウシオは何やら昔あったいろいろな時に通信手段あらば・・・などと考え込んでるがクロは教えてあげたリズムゲームでシャンシャンとやってるうちに
スマホを指が貫通して砕けた。
「あっ・・・ごめんユウスケぇ・・・壊しちゃった?」と涙目になるクロだが、指を抜いた途端に破片が時間を戻したように集まっていき元のキッズスマホに戻ったのだった。なるほど、これが破壊不可能ということか。
「あっ直った!じゃあ力を入れないようにして・・・~♪♪」
「悠介よ、もっと妾にコレの扱い方を教えてたもれ!」
「悠介悠介!!見てこれ芸人の〇〇が〇〇と結婚したって!!ヤバくない!?」
「うるせえ、俺にもソシャゲやらせろ!!」
結局その日は修行と称してクエストに行っていた
ちなみに俺の電子ウォレットからは数十万円分の金が消えていた、最近のスマホ本体高すぎでは?
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