第4話 魔法とは?
前書き
わかりづらいとは思いますが、魔術と魔法の根幹は同じものだと思われます。大きな違いはそれが制限付きか、制限や上限といったものが存在しない万能の事象か。
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「この世界に魔法というものはありません、魔術の間違いかなにかでしょうな⋯ともかく新しい仲間を我がギルドは歓迎致します。」
と、あまり魔法使いには取り合わずに副ギルド長は行ってしまった。
残された受付嬢さんは何かの間違いかなーなど呟きながら水晶の魔道具をチェックしている。
一応胸元で弾むネームプレートをチェックしてから⋯。
「えーっと⋯アイネさん、俺たち田舎から出てきたばっかりで魔術とかジョブとか詳しくないんですよ。宜しければ御教授願えれば助かるんですが⋯。」
「あら、そうだったんですね!ではちょうど午後から新人冒険者向けの講義があるので出てみますか?そんなに畏まったものでは無いので皆さんも参加してみては?」
渡りに船だ。
聞いてみれば新任女神であるというシルバーはあまりこの世界の情報に詳しくはないようだったので三人で参加することにした。
詳しくは第一話にて。
そして魔術に関してはイメージしていた剣と魔法の世界における魔法のポジションからは悪い意味で逸脱したものということが分かった、わかってしまったのだった。
「えーと、魔術に関しては各属性のエレメントの力を借りて放つもの。ゆえに言葉を扱えるものなら大抵のものが使えるというのがこの世界の常識、か。」
講義を終えた俺たちはギルドの飲食スペースでテーブルを囲んでいた。
簡単に言えばエレメント、つまり様々な精霊や妖精などの思念体は姿こそ見えないもののあらゆる場所に存在していると考えられているためいつでもどこに行っても魔術は使えるもの、と考えられているようだ。
言葉、つまり呪文を詠唱さえすれば喋れるものは例え魔物だろうとも(人間の言葉で詠唱している訳では無いらしいが)行使可能な万能な手段、それが魔術らしい。
しかし、レパートリーがとても少ない。
例えるなら火属性なら着火するだけ、ファイヤーボールのようにまとめて飛ばすだけ等と種類がとても少ないのだ。
シルバーのように
「それでは悠介さんの得意とする(はずの)魔法というものはどう言ったものなんでしょうね?」とシルバーが零す。
その時だった。
俺に備わった魔法使いというジョブについて考えた瞬間に恐ろしい量の知識が俺の頭に流れ込んできたのだ!
それは魔術を単なる基礎とした上に成り立つ巨大な魔道体系。
それは魔術により成り立っているこの世界の理ことわりに触れるもの。
それは魔術とは全く違う規模の馬鹿げた領域。
魔法とは⋯⋯⋯⋯この世界を丸ごと滅ぼしてなおお釣りが来るようなもの。
と、一瞬で【魔法という概念の全てが脳に焼き付いた】と理解したのちに。
「悠介ッ!?」
椅子ごとひっくり返り、そうして俺の意識はかえでの声を最後に失われたのだった。
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