首長竜のゆめからさめた


今手を伸ばす真昼の月に

睨まれ落ちて落ちていく


寂しさに値段が付いた春

首長竜のゆめからさめた

積み上げた石の脆い頂上

知らない空が見たいのは

灰色の街を歩きつかれて

朝を、探せなかったから


優しく髪を揺らした風が

蜃気楼の塔をさらってく

白いと痛いその違いさえ

私は言葉に、できなくて


嫌いを、言うためだけに

積み上げる正しさ、など

いらないもう、いらない


首長竜のゆめからさめた

足跡に意味はないとして

そうだ私は歩くイキモノ

果てに崩れて初めて眠れ

真昼の月は、そこに居る。


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