第6話 「ミノタウロス戦1」
「おぉ。でかい」
というか、裏路地とか通ってきたから、衛兵と一人も合わなかった……。
第一声がそれだった。そのミノタウロスは10メートルくらいの大きさだった。
っていうか先に戦っている奴がいる。衛兵か?相当やるなあれは。ってかあんなでかい槍よく振り回せるもんだ。と少し関心していると、
「やれやれ~」
「お~いーぞにいちゃん」
そこには緊急避難命令が出ているにまかかわらず野次馬がいた。
そこには大きな槍をもって通常の何倍もあるミノタウロスの相手をしている青年がいる。
おそらく衛兵だ。
甲冑を被っててよく見えないが、鎧の内側はおそらく血まみれだ。ある程度戦闘経験のあるソラトにはわかる。
「おい早く逃げろよ!ここにいちゃ危ない。緊急避難命令が聞こえなかったのか!」
「んだぁ兄ちゃん」
まずいこのままじゃあ喧嘩になる。この忙しいときに……。
「わるい」
「おいスキア南門近くで緊急避難命令がでてないぞ。どういうことだ」
「くっそそっちもか」
「そっちも?」
「あぁ。こっちはスペアがあったので何とかなったが、町に配置されているものはスペアがないんだ。壊されていたら終わりだ」
「くっそ。こっちは野次馬が多いし喧嘩になりかけそうになるし、戦うどころじゃない」
「俺は緊急避難命令を言い続ける。ソラトその場からいったん離れて、石を探しに行け。その石を野次馬のところに投げつけてやれ。事の重大さに気付くはずだ」
「なるほど。こっちはもう少し大丈夫そうだから探しに行くぜ」
「知ってる。そっちにはマイスがいるからな。ある程度は時間が稼げているはずだが急げよ!」
「わかった」
ソラトは大通りに出て少し行ったところで綺麗にはまっている石を取り出す。
「よし、急がないと」
現場に戻ろうとすると、マイスがつけている甲冑の下から血が垂れているのがわかる。誰がどう見ても血が垂れている。それを見た野次馬たちはようやく少し事の重大さに気づいたのか少しづつその場を離れようとする。
そしてソラトが石を持ちながらそこに到着すると、、
「緊急避難命令。難度S、危険魔獣出現」
石からスキアの声が発せられて完全に事の重大さ気づき一斉に非難を始める。というかもはや内容が野次馬に向けてだった。
「まて一気に非難するとあぶ」
と言いかけた瞬間押し寄せる人たちにはさまれ態勢を崩して逃げる人たちに踏まれる。
「いてぇ」
が急がないと。っていうかここらの奴柄悪いな。
「ぶっはぁ」
さっきまでは少ししか垂れていなかった血が今度は一気にすごい量垂れている。
マイスよろよろしながらも少し距離をとり頭に着けていた鎧をとり、、
「あとは任せた」
「おぅ任せろ。もう少ししたらアリシアも来るから。大丈夫だ」
ソラトの声が聞こえていたかわからないが、マイスは少し安心したような表情できぜつした。おそらくそ表情はアリシアが来るとこじゃなく、ソラトが来たことによっての安心だろう。
「オオオオオオオォォォォォォ」
「うるせぇ」
ソラトはミノタウロスからマイスへの注意をひくために10メートルくらい離れ、家が崩れて瓦礫の破片を数個抱えミノタウロスの目めがけて投げるが、ソラトのコントロールはそこまでよくないので当たらないと知っていたが目の周りに当たれば何らかの防御反応をとると思ってのなげったが、ミノタウロスはそれを持っていたこん棒ではじく。
こいつ別にそこまで早く動けるってことはないが、サイズの割にこん棒が案外小さくて振るのが早い。
「あれは当たったら即死かもな」
「ソラトさん!」
と相手の分析をしている間にアリシアが到着した。
「やっと来たか、そこにいるマイスって騎士を先に直してやってくれ。俺はまだ怪我をしていない」
「わかりました」
とマイスに近づくと
「すごい傷。能力では間に合わない。いったん魔法で生命維持しないと!」
アリシアはマイス倒れているすぐ隣の地面に手をつけるとそこには緑色で円形の魔法陣がちょうどマイスがすっぽり入るくらいの大きさで出現する。
すると大きな傷が一気にふさがり体の中の内出血なども消えていく。
それと同時にアリシアもかなり息切れだ。
「あとはの能力で少しずつ傷を治していかないと!」
ミノタウロスは町を破壊しながらソラトに向かって行っている。
「必要以上に町をぶっ壊しやがって、、こりゃあんまり動き回るのはよくないかもな」
でもスキアが全責任を負うってことを考えたら若干どうでもよくね?という考えが浮かんだが、
「っと。そんなこと考えている余裕はないな」
ミノタウロスの動きも早くパワーも半端ないためいったん町への被害の事を考えるのはやめた。
マイスの様子を見ていたアリシアは細かい傷を治すためにマイスの鎧をはがしていると、こん棒のとげで鎧が貫通してついたであろう傷の肌回りが黒く変色していることに気づいた。しかも鎧は所々溶けていた。削れていたのではなく溶けていたのだ。それはこの毒がいかに強いものだということがわかる。鎧を外す前だったのでマイスの体のほうは肉がむき出しになっているということはなかった。
「これは……」
よく観察すると
「毒?」
と気付くと同時にアリシアは10メートルほど先で戦っているソラトに目を向ける。
おそらくまだダメージを受けていないであろうソラトを見て安心した。
「ソラトさん!そのこん棒にはおそらく毒が塗ってあります当たらないようにきおつけてください」
とスキアの能力に頼って言おうとするが、
ソラトに反応はない。
「まさか避難所でも何か……」
といやな予感がアリシアの頭をよぎったが普通に考えて、今一番やばいのはミノタウロスだと思ったのでそんな思考いったん捨て、大きな声で、
「ソラトさん。そのこん棒には毒が塗ってあります。きおつけて下さい。毒の強さを見る限り少し受けたからと言ってすぐに動けなくなるわけではなさそうですが鎧をしていないので最新の注意を払ってください」
「っクッソ。厄介すぎるだろ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます