第5話「準備」

「おいおいおい。こんな二人で何とかできる量の敵じゃない。しかもミノタウロスか?あれはでかい!タイミング悪すぎだろ……せめてあいつらがいれば、、」


 俺とソラトで何とかできるか?、しかも一か所じゃないんだよな……。


 アギトは町で一番高い塔に上って町全体を見渡す。


「しかも北と南からか……っははわらえるぜ」


 北にはミノタウロスはいないが量が多い。南にはミノタウロスとフェンリル?かよくわからないが数は少ない。より多くの命を救うには俺が北でソラトが南か……運が良ければ勝てるか?まぁ衛兵も少なからずいるがぶっちゃけソラトに比べたら大したことない奴らが多い。


「全員聞こえるか!」

「あぁスキアか!」

「なんだこれ?」

「スキアさん!」

「ソラト聞こえているのか?」


 これはスキアの能力。一定範囲の能力もち又は魔法が使えるものにのみ遠距離で話すことができる能力だ。無能力のソラトに聞こえているのはおかしいが今はそんなことより町を守ることが優先だ。


「後で能力については説明してやるからいったん黙ってスキアの指示に従え」

「アギト状況は?」

「それが最悪だぜ。南には見た目倍はあるミノタウロスとフェンリルか?キメラか?見たことのない魔獣だ少々と北にはそいつらがたくさんだ」

「わかった。俺は緊急避難命令を出す。そしてアリシア!町の避難所に迎え。怪我人がいたら能力で手当しろ!」


 どうする状況が最悪だ。なんで今なんだ!そんなこと考えても仕方がない。


「南にソラト頼めるか?アリシアやはりお前も南門に行け。ここでソラトを死なせるわけにはいかない。そしてアギト北へ行ってそっちが終わり次第南門へ行け」

「わかったソラトなるべく時間を多く稼げすぐに行くからな」

「あ、あぁ」

「最後に移動しながら聞け!町にいる衛兵や憲兵にはこの声は届いていない。だからそれぞれ向かう途中に会ったら声をかけて半分は住人の避難もう半分はミノタウロス以外の魔獣の相手をさせろ!アギトお前のほうは全員住人の避難に回せ!」


「それはわかったが衛兵でも何でもない俺のゆうことを衛兵らが聞くとは思えないんだが」


「スキア命令だ!と言え。それで衛兵たちは言うことを聞くはずだ」

「わかった」

「了解」

「わかりました」


 皆死なないでくれよ。今は動けるやつらがいなさすぎる。


 俺は早く緊急避難


「!!!壊されている。上か!」


 と気付いた予期には空のかなただった。


「これは指揮官がいそうだな。だが残念。スペアもあるんだぜ」


 スキアは石に向かって話し始める。これは町のいたるところにこの石と同じものが設置してあり今スキアが持っているもののみに反応していたるところに設置してある石が反応しスキアが言ったことと全く同じことが石から聞こえる。


「緊急避難命令、緊急避難命令。北門、西門から魔獣の襲撃あり、北門、西門から魔獣の襲撃あり、直ちに避難してください」


 これで今俺ができることは終わりか、なんて無力なんだ。それにこれを使うのは初めてだなしっかり聞こえているのか。


 ソラトとアギトは全力で南門に向かって走る。


 その間に緊急避難命令がしっかり聞こえていたので、、


「緊急避難命令はしっかり聞こえているぞスキア」

「一つ聞きたい。ミノタウロスは何か武器を持っているか?」

「とげとげしいこん棒だ。きおつけろよ」


 それはミノタウロスと戦うソラトにとっては重要なことだ。選択武器にかかわるからだ。


 と屋根の上を飛びながら北門へ行っているアギトが言う。


「というか南門ってどこにあるんだ?」


 ソラトはある程度南の位置はわかっているが正確な位置までは理解していなかったが、


「オオオオオオオオオオオオォ」


 という咆哮が聞こえたのである程度の魔獣のいる位置が分かった。


 大通りは避難する人々で走りにくいな。と思ったが、、、


「いま俺武器持ってねーじゃん。スキアさん?俺今武器持ってないんだけどまさか素手で戦えとか言わないよね?」

「もちろんだ」


 どっちのもちろんだよ!と内心思っていたら、


「魔獣がいるところまでに店があるだろう。そこから適当に好きな武器を持っていくといい。こんな状況だ。大丈夫だ」

「いやいやだいじょばねーよ。それ泥棒だからな」

「大丈夫だ。それとも俺の言うことが信用できないのか?」

「当たり前だ誰だ!」


 思わず口が悪くなってしまっていた。


「そっか名前は言ったが役職を言っていなかったな。俺はこの街をまとめているものだ。簡単に言うとこの町で一番偉い!」

「マジかよ」

「残念ながらマジなんだよソラト」

「アギト無駄口をたたかずに早く行け!」

「わかった。じゃあ後でなんとかしろよ」


 ソラトは向かう途中店に入り、剣を2選びまた走り始める大通りは人が多いので人気のない路地に入る。さっきの方向で大体の位置を掴んでいるため、わからない道だが迷わずに進める。またその途中で、鉄のパイプも2本拾い、


「これで完璧だ」


 こん棒と剣じゃ相性が悪く剣がすぐに折られてしまうことがあるからだ。そのために鉄のパイプのようなものも必要だと判断した。


 とつぶやきスピードを上げて咆哮の位置へ向かう。
















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る