第17話
え~と、なんと話すべきか、判断に苦しみますが、ディエゴが死にました。
いえ、殺されました。
恐らく、いえ、間違いなくマルティナがやらせたことです。
マルティナから見れば、ディエゴは道具でしかなかったのでしょう。
使える間は遠慮なく使い、不要になったら捨てる。
その程度の存在だったのでしょう。
私はもちろん、ダニエラたちも緊張しています。
ディエゴを殺した奴らが、今度は私を狙う可能性が高いのです。
緊張するなという方が無理です。
急いで壊されたドアを修理し、交代で見張ることになりました。
同時に魔法巻物と魔法書を量産することにしました。
私は急いで中級上の魔法巻物と魔法書を量産しましたが、その製法をカルラに見せるわけにはいきません。
なので別々の部屋で魔法巻物と魔法書を作ることにしました。
そこでカルラは、私がすでに教えた初級下の魔法巻物と魔法書を作りました。
ここでひとつ大きな秘密ができました。
ネイが魔力を持っていたのです。
しかも私を超えるような膨大な魔力です。
こんなに幼いのにです。
このことはマルティナ達には絶対に知られるわけにはいきません。
私を傷つけない魔法契約は交わしていますが、ネイを傷つけたり誘拐したりしないという魔法契約は交わしていなうのです。
幼くて抵抗する力がないのに莫大な魔力を持っているネイは、奴隷として売れば莫大なお金になるのです。
ウィリアム様たちにお伝えするかどうかも正直迷います。
あの方々が心優しいのは十分わかっています。
ですが、心配になってしまうのです。
何があっても護りたいと思ってしまうのです。
これが母性というモノなのでしょうか?
「ネイ、おてつだいする。
ここでいいの?」
「ええ、そこでいいのよ。
でも頭が痛くなったりしていない?
気分が悪くなったりしていない?
なにかあったらすぐに言うのよ?
絶対に我慢しちゃダメよ?」
「うん、がまんしない。
でもぎゅっとしたい。
ぎゅっとしてほしい」
「はい、ギュッとするのね?」
私は膝の上にいるネイを優しく、同時に力強く抱きしめました。
「うん、こっちむく」
「はい、こっちむくのね。
はい、ギュッとね」
ネイは私に背中を向けていましたが、それで抱きしめられるだけでは満足できなかったようです。
直ぐに私の方に向き直って、私に抱きつきながら抱きしめて欲しいと言いだしましたが、私ものその方が愛しさが込み上げてきて、抱きしめている実感あがあります。
「おい、開けてくれ
王都警備隊もリーアスだ。
話がある、直ぐに開けてくれ」
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