第29話 6日目G:助手と教授
その日の昼下がり、助手は一人で街中にある「イタリアレストラン」へとやって来ていた。 これは彼女が数日前に訪れた店と同じ店である。
助手が「トマトを含んだ昼食」を取り終えると、その食器は下げられていては「デザート」と「コーヒー」が“テーブルの上”へと運ばれて来た。 そして助手が「コーヒー」を一口飲んで、「いざや、デザートへ!」と思った時に、彼女の所持する携帯電話が“着信音”を告げていた。
「?」
助手は携帯電話を手に取って、発信者の名前を確認する。 そこには「教授(ハートマーク)」との表示があった。 助手は通話を「ON」にして、携帯電話を耳へと当てた。
「はい、もしもし」
「ワシじゃよジョシュ君。 元気しておったかね?」
受話器からは“老いた男性の声”が聞こえて来ていた。
「ええ、お久しぶりです教授。 私は元気です。 それよりどうしたんですか(何の用ですか)?」
「うむ、久しぶりにカワイイ教え子(元教え子)の声が聞きたくなっての~♪」
男は御機嫌に助手へとそう言った。
「ははは。 政府から進捗(しんちょく)具合を聞くように言われたんですね?」
「む~、なんとも可愛気の無い教え子じゃ……」
男はそう言うと、助手へと尋ねた。
「それで? 実際の所はどうなんじゃ?」
「少し進展しましたよ」
助手は「デザート」を食べながらに相手する。
「ほほう?」
「『黒蛇姫』……、それが新たなキーワードです……」
「ふむ……」
助手は言う。
「それと『次世代破壊兵器』に関しては“物理現象を用いた兵器”である可能性が高そうです。 そして『10年掛けて全人類を10%減らす手段』というのは“ウイルス兵器”である可能性が高そうです」
「そうか……、予想をした通りじゃな……」
「あと、“人格により所有している知識”に“差がある事”は間違い無いように思われます」
「ふむ……。 しかしそれなりに順調そうで良かったぞ♪」
すると助手は空を見上げてみせていた。 空には青さの中に「白色の雲」が浮かんでいるのが見えていた。
助手は言う。
「そう言えば教授は“彼女”に対して薬物を使った事に反対をしていましたよね?」
「当時の私見に間違いがあったとは思わんよ。 “催眠状態”に置かないと“彼女”とは“会話をする事”も出来んのじゃろう?」
「『入れ子催眠』の事ですか? 確かに面倒ではありますが、“逃げられる”等のパターンを考えた場合、あの時の判断は正解でした。 現状、“上々”という所でありますね♪」
「ほんに(本当に)負けず嫌いな奴じゃの~」
言われて助手は笑顔を見せた。
助手は言う。
「あっそうだ教授! 次の“設定”について何か良いアイデアってありますか? ちなみに今回は“カウンセラー”って設定でした。 ちなみにその一つ前の設定は…………」
この後二人は話を続け、やがて“次の設定”が決定をした。
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