第3話 孤児院
次の日、目が覚めたと同時に下半身に違和感を感じる。
泣くと寝ていた女性が飛び起きて、あやしながらおしめを替えてくれた。
おしめを替えてくれた後もずっと俺を抱っこしている。見た目は0歳だが中身は33歳のおっさんだぞと思っていたが、女性は嬉しそうにこっちを見ているし静かにニコニコしていたほうがいいかなと思った。
女性はかわいいよりの美人で若そうだった。栗毛のロングヘアーを後ろで縛ったポニーテールで、スタイルもよく見た目だけならどストライクだ。
女性の方をしばらく見た後、昨晩ほったらかしにしていた不死鳥達が気になり、ステータスをみる。
SPが255、一晩で230追加された。さらに、異空間倉庫にはゴブリンのコアが10個、ホブゴブリンのコアが4個、ゴブリンロードのコアが2個あった。
「はいはーい!ご主人さまおよびでーすかー?Oh!何ということでしょう。ゴブリンとホブゴブリン、更にはゴブリンロードのコアですか!!ん―んっゴブリンとホブゴブリンのコアは刀鍛冶用にはあまり使えないから売るか交換したほうがですねー!ゴブリンロードのコアは妖刀用として取っておいても損はないかなと思いますよ―う。……一応付く能力として土属性の能力。例えば地面に刺すと地割れ起こしたり、はたまた、防御壁を出してくれたりと意外と便利よ―う!!あ、おねーさんかわいいね~子供だからって見とれてちゃダメだぞ―!」
ゲーショはそう言うと消えた。
ふむ。ゴブリンとホブゴブリンのコアはあまり使えないのか……んー。どうしようか。売ればお金になるみたいだし、取っておくのも一つか。そう考えていると昨日の男性が部屋に入ってきた。
一緒に出かけるらしく、女性に抱きかかえられて外に出る。
今日は天気がいいなぁと思いながらとあることに気づく。
生まれてからずっと言葉を理解できていなかった。
文字が書いてあるがなんと書いてあるのかわからない。さらに喋っている言葉もわからない状態だ。
この状態をなんとかしなければと思い、魔法作成を行った。
『翻訳魔法』見たものや、聞いたものを即座に翻訳し、対象に合わせた表記、声で確認することが出来る。永続発動。
すると街の中の看板の文字が読めるようになった。また、会話内容も理解が出来る。
今話している二人の会話を聞いた感じだと、一旦冒険者ギルドにいくらしい。
と、言うことはこの2人は冒険者なのかな?と思いつつ、聞き耳を立てる。
結局の所俺をどうしたらいいかわからないということだった。
冒険者ギルドに行けば何かしら解決策を提示してくれるのかもしれないとのこと。
聞き耳を立てていると冒険者ギルドについた。
「やぁカイト!こんな時間に珍しいな。それにハルも!手に持ってるのは赤子かい?」
「やぁモス!いやな、昨日モンスターに襲われた村の調査っていう王家勅令の任務あっただろ?そこでこの赤子だけ生きていてさー。昨日はもう遅かったから一旦宿に帰ったんだ。ハルは引き取って育てたいって言ってたんだが、パーティメンバーや他にも色々迷惑かかるだろ?それでどうしたもんかと思って冒険者引退したモスにでも聞いてみようと思ってさ。」
ハルって人いい人すぎやん……誰の子供かもわからない俺を育てるだなんて……。
「確かになー……ハルには申し訳ないが育てるって言うコト自体が大変だし、さらに言えばハルの職が希少すぎて……一番は孤児院がこの街の教会にあるからそこに預けることだな……」
「ハル。そう言ってるからここの教会に預けよう。会えなくなるわけじゃないし、お金貯めて迎えに来ることも出来る。だから……な?」
ハルはずっと黙っていたが、俺の顔を見て小さくごめんね。と言った。
「わかったわ。その代わりもっと依頼を受けて、この子を迎えに来る。」
「まー大丈夫だろ。お前らのパーティは王家勅令を受けることが出来るプラチラランクの冒険者たちの集まりなんだから金はすぐ貯まるさ。」
モスはそう言うと、一枚紙を書いた。
「これを持っていけば教会の孤児院に入れるはずだ。」
2人は外に出るとそのまま教会に向かった。
教会のシスターに紙を見せると、シスターは俺の顔を見て笑顔になった。
シスターは30歳くらいだろうか?老けてはいなかったが若いというわけでもなく、ああシスターっぽいという雰囲気を持った人だった。
カイトは俺に短剣をくれた。というよりあやすための道具としてだろうけど。凄くきれいな装飾がされており、剣が簡単に抜けないようにストッパーがついていた。
ハルには強く抱きしめて頑張ってといってもらい、首につけていたネックレスをくれた。オレンジ色のきれいな石がセンターについており、その周りをドラゴンが守るようにして寝ている。そんな感じの装飾が凝ったものだった。
助けてくれた二人にお礼をしたかった俺は、まぁそんなたかいものじゃないだろうと思いつつも、ホブゴブリンのコアを4つこそっとカイトのポケットの中に入れた。
そして、俺は孤児院に預けられることになった。
まだ新生児だった俺は、シスターがしっかり面倒を見てくれた。
魔法等を色々使ってみたかったが、教会という場所もあったり新生児ということで他の子供達もかまってくれたりと何かと使いにくかったため使わずにいた。
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