第2話 いきなりピンチになりました。

 目の前が真っ暗だ。

 そういえば、新しく生まれたんだっけ。

 そんなことを頭の中で考えていたら急に泣いてしまった。いや赤ちゃんだから当たり前なんだけど。

 そして徐々に視界が広がる。どうやら生まれた場所は普通の家のようだ。

 ……眠いから寝よう。

 目が覚める。お腹が空いたが、声がまだ出せないので泣いた。

 母親と思われる人物が近づいてきて柔らかいあれを出して吸わせてくれた。

 お腹の空きも落ち着き母親の顔を見る。ものすごく美人だ。栗毛で後ろでポニーテールにしている。……このまま母親と一緒でもいいや。そう思った時期もありました。

 何週間かすぎた頃、急に母親に抱きしめられ家を出た。

 外の状況をはっきりとは見えなかったが、暗かったが暑さを感じたので多分夏の夜なのだろう。と、親が急に自分に覆いかぶさるように倒れた。と同時に感じてたぬくもりがなくなり、どんどん冷たくなっていく。

 (え、ちょっとこれって死んでる……?まさかの出落ちで俺も死んじゃう?え、この先なにあるかわかんないのに1回をここで使う……?)

と、あたふたしつつもここで泣いてしまえばバレて殺されるのが目に見えていたので、じっと息を潜めていた。

 2時間位経ったか?と思った時、近くに誰かがよってきた。

 (あ、これ俺が死ぬやつや……)

 母親を起こしてずらす。

 びっくりしたせいで、声を出す代わりに泣いてしまった。……赤ちゃんだし生理現象だし仕方ないんだけど、ここで泣いたら死ぬ。と思ったのだが、その人は俺を抱きかかえると母のつけていたクロスのネックレスを手に握らせ泣いていた。

 しばらくすると、近くにいた女性に俺をわたし、一緒に奥に進んでいった。

 俺は眠たくなり寝てしまった。

 目が覚めるとベッドに横になっていた。

 まだちゃんと動くこともできないが、少しづつ体を動かして横を見た。

 するとさっきの男性と女性が何かを話している。多分俺のことだろう。

 女性は泣きながら必死に訴えていた。

 男性はと言うと困った顔を見せつつも、何かを必死に伝えていた。

 ……そういえば本当にその契約書通りのステータスがもらえているのか気になった俺は調べる方法がないのか探してみた。

 結果心のなかでステータスといえばステータスを見れた。

 (たしかに説明受けた能力になってるなぁ……ってことは……)

 早速オリジナルスキルの魔法生成で魔法を作ることにした。

 使おうとすると目の前に注意点が何個か表示される。

・魔法を生成する場合具体的に内容を決める。決めない場合ランダムで能力が決まる。

・魔法生成時にはSPを消費する。SPは魔法生成・その他スキルのレベルを上げるのに必要。モンスターを倒すことによって収集できる。

・威力・MP消費量等は魔法スキルレベルに比例する。

とのことだった。魔法スキルレベルはカンストしているため、最大威力で使えそうだ。

 ということで、魔法を作っていく。

 『哨戒魔法』…

半径1キロメートル以内の敵対しているものに対してマーキング・及び指示があれば攻撃。見た目は大きな不死鳥、全属性。基本的には姿は見えないが、術者及びパーティーメンバーは姿が見える。1度に10体まで生成可能。

と、想像する。

するとSPが100消費しますと出てきたためハイと想像する。すると使えるようになったというウィンドウが開いた。

 SP消費がかなり多い気がしたが使える魔法のため仕方ないと思うようにした。

 SPがなくなる前に、刀鍛冶のスキルレベルをあげとこう。そう思い、刀鍛冶スキルを呼び出す。

 そうして刀鍛冶スキルにポイントを割り振る。どうやら1レベル上げるためには5SP消費するらしい。100SP消費して、刀鍛冶スキルをレベル50にした。

すると新しい項目、非鉄錬成と良業物制作が出てきた。

……訳解んないな、となったため、魔法生成で新しい魔法を作る。

『ナビゲーション魔法』

 その世界・国・物・スキル・モンスター等の情報や、元の世界のインターネットを介して情報を収集。質問に対しての回答、また自動的に解説・説明をしてくれる。また、役立つ情報等も自動的に教えてくれる。反応は至って自然に、更に説明をわかりやすくしてくれる。キャラクターは明るく元気で、友人のように接してくれる。

と、想像する。200SPを消費するが必要経費なので仕方ない。

 ナビゲーション魔法を習得したウインドウが出てきた。と同時に目の前に某映画のランプの精みたいな陽気な見た目のキャラが出てきた。

「はーい呼ばれて登場!!私……えっと貴方新しいご主人?……新しいご主人って私が今生まれたんだからそうか!で!ご主人さま凄くちっちゃ―くなっちゃっているけど大丈夫かしら。まーいいかーそんなことー!ということで私……あ、そうだった。私の名前決めてもらえる?」

 おい。何だこれ。某映画のランプの精と全くキャラ一緒じゃないか!!

「某映画とは失礼な!!これでも一生懸命色んなものとかぶんないようにキャラ付けしたんだから受け入れなさい!!」

……まんま一緒だなぁ……楽しくていいけど。

「それじゃー……ゲーショで。」

会話は頭の中で浮かべるだけで出来るので凄く楽だ。

「はいはいはーい!ゲーショね!うーん……」

コロコロ姿も変わる。ほんと某映画の……

「ま―た某映画っておもったー!ゲーショね!全知全能の神ゲーショ様の爆誕だ―!!おっと失礼。で、アタナのお名前は?」

「エリク・アランド」

「おうエリクー!!いい名前だねー。あだ名はエリ?アラ?それともクア?名犬クア……なんっちゃって。んで今一番聞きたい質問は?」

どこから出してきたのか司会者風の服を着てマイクを出してくる。

「ちょっちょっとまった。質問のたびにそんな感じ?」

「ノンノンノン!マスター今回だけ初回大サービスー!!通常は気になったり、これは便利だー!!ってなったものだけ説明するよーう!!ヒャッハー!おっとそうだった。恋の相談はできるけど恋の成就方法は教えれないよ―。やっぱり自分で考えて達成するものだからね―!!あと死んだりしたものの生き返らせ方とかも伝えれない。だって死んだもの生き返らせるとか気持ち悪いもんねー?」

完全にジー○ーだ。

「某映画とすら言わなくなった!!まーいーけどねー!で、他の質問は?」

 急にトーンダウンした。まぁいいか。

「刀鍛冶スキルの非鉄錬成って何?」

聞いた瞬間答えが帰ってくる。

「Oh!非鉄錬成?非鉄錬成……鉄ではないものを鉄のように扱い、刀へと変化できる。硬さ等は元の素材とおなじになる。……わかりやすく言えば鉄じゃなくても刀にできるってことだねぇ!」

「なるほど。」

「質問終わり?終わっちゃうの?」

「今のところはいいかなぁ……」

 と、そういうとゲーショは寂しそうに手を振ってボワっと消えていった。

……にぎやかな仲間と思える存在ができてよかった。

「今良かったって思った?俺も嬉しいぜ相棒。」

 急に出てきてニコニコの笑顔になりながらそれだけ言ってまた消えていった。

 そういえばダブルソードってスキルにあったけど二刀流……

「いえーす!!さすがご主人さまお目がたかい!!二刀流のスキルだね―!マックスレベルまで行くと20連撃まで出来るようになるし、更に更に聖剣も2本持てる。刀鍛冶スキルと相性バッツグ~ン!!ヤッタゼ!」

ゲーショが大体の説明をしてくれた。

聖剣とか業物とか何がどう違うんだろう……

「はいはーいこの世界には剣って言うと片手剣・両手剣・大剣しかないんだけど、エリクが刀鍛冶スキルを望んだから刀っていうのが追加されたんだよねー。まぁ刀自体エリクしか作れないオリジナルスキルだから気にすることはないんだけども。で、聖剣は剣の中でも一番上!!その下に魔剣・名剣・剣・ゴミ・・・ごみはいっかー!ってつづくよー!!で、業物は刀の切れ味だねー。最上業物が聖剣とほぼ同じクラス、その下が上業物・良業物・業物・なまくらとつづくんだよねー!!」

 そういうとゲーショ(GESHO)と書いたネオンをチカチカさせながらこっちを見ていた。

「なるほど。んじゃなるべく早く刀鍛冶スキルはあげたいな……」

そう考えていると、またゲーショが出てきた。

「おーい旦那!せっかく便利な哨戒魔法作ったんだぜ?せっかくなら使わないと!ただSPと経験値は回収できるけど、ドロップしたアイテムは回収できないから注意が必要……そんなものかな?」

 ゲーショが考え込んでいる。

「おう。エリクの旦那!まだSP残ってるんだからオート回収魔法作ってしまえばいいんじゃなーい?」

 そうゲーショが言うと目の前にポップアップが出てきた。

 オート回収魔法はSP50でできた。残り550。

 余ったSPをすべて刀鍛冶スキルにつぎ込むと25余って100になった。

 これで刀鍛冶スキルがすべて開放された。

 ・最上業物制作

 ・妖刀制作

「はいはーい。マスターあんたはホントラッキーだね。妖刀制作がついたよ。これで聖剣超えの刀も作れちゃうねーさすがマスター!」

 は?意味がわかんないんですけど……

「妖刀制作は10万分の1の確率で付く特殊スキルさ!魔物のコアを入れることによって、その魔物の特殊スキルを刀に付与できるそんな能力さー!」

 ゲーショが嬉しそうに答える。

「魔物のコアってなんだ?」

 思わず聞いてしまった。

「oh……魔物のコアは魔物からドロップするアイテムの一種。あまりドロップはしないけど高値で取引されるし、さっきみたいに武器のコアとして使うことによって武器の強化もできるそんなものさー!」

 すこしゲーショのテンションに疲れてきたがどうやらいいものらしい。が、まだ一人で体も動かせないため、一旦哨戒魔法を3回使い、3体の不死鳥を召喚、近くにいるモンスターを自動で倒すことを指示した。

 それと同時にオート回収魔法も作動させ、アイテムを自動で回収することにした。

 ずっとゲーショと話していたが、念話のようなもののため助けてくれた2人はニコニコしながら泣かない俺を見ていろいろ考えていたようだった。

 結果から言うと今日はもう遅いということで、その女性と寝ることになった。

 お腹は空いていたがこの女性からはもらえないだろう。諦めて寝ることにした。

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