異世界を救う代わりにたくさんチートをもらうなんて卑怯じゃないですか?僕はそう思いませんけど。

@mamepu_paip

第1話 ここはどこ?

 (え?ここどこだ……?俺の部屋……ではないよなぁ……。)

 頭がボーッとしているが、気絶するようなことやったっけ?

 周りを見渡すと、見慣れない景色が目の前に広がっていた。古代ローマの雰囲気がある柱が並んでいて、それに並行するように大理石のような石でできている道が続く。その奥では2人の女性がなにか言い合っているようだった。

 とりあえず気絶する前の記憶をたどる。

 仕事から帰ってきた後、PCの電源をつけて椅子に座って……あ、椅子に深く腰掛けすぎてコケたんだっけ……んで打ちどころ悪かったのか死んだのか?んな漫画とかラノベみたいな展開……と、頭の中で思っていたタイミングですごい爆発音が聞こえた。と同時に、目の前に紙が一枚ひらひら落ちてきた。

名前 瀬口明宏

年齢 33歳

性別 男性

素体適応度 99%

その他補足事項

勇者適正(燃えて先が読めない)

(まて、これ俺の事だな。で、素体適応度99%って何だ?あと、補足事項の勇者適正ってなんだ?訳解んないな……)

 と、思っているとその2人の女性が近くによってきた。

 ふたりともすごく美人だ。一人は金髪で、目の色が茶色、もうひとりは黒髪、黒目だ。しかもふたりともスタイルもいい。強いて言うなら服装がザ・私は女神よ!!どう!?みたいな感じのコスプレっぽい雰囲気がなければ言うことなしなんだけど!!

「気づきました?急にごめんなさい。こんな場所に呼び出してしまって。」

 金髪のほうが謝る。

「こんな場所に急に呼ばれたんだからびっくりして当たり前ですよね。本当に申し訳ない……」

 黒髪も謝ってきた。

「あ、いえ……大丈夫です。……っていうかここはどこですか……?天国?」

「ここは神界です。私達女神や、男神、無性神が存在している世界っていえばいいかしら。」

 黒髪が答えてくれた。

「……なんで神界に……??もしかして……俺……死んで神様見習いにでもなるの?」

「「それは違う」」

 二人はそう言うと鏡のようなものを渡してきた。

 その鏡には自分の顔が映る……訳ではなく、俺がちょうど椅子ごと後ろに転んだ状態でとまっている画像が写っていた。

「どういう事……?」

「タイミングがタイミングだけど……私が召喚したの。」

 黒髪が申し訳無さそうに言う。

「私はやめたほうがいいって言ったのよ?いくら素体適応度が高いからって……いえ、なんでもないわ。あなたには魔王を討伐してもらって、世界を平和にしてもらわなきゃなの。」

 あー出た。良くある転生系のラノベのやつ。……待てよ。んじゃ転生先で可愛子ちゃんハーレム楽しめるのか?やったやった!!

「えっとー……顔にやけてるけど……大丈夫?」

 金髪が聞いてくる。

「んへぇ……あ、ハイ大丈夫ですはい。」

 そう言うと変な妄想の前に命の危険とか色々考え始めた。

「……っていうかその前に二人の名前も知らないのにいきなり魔王を討伐しろとか色々おかしくないですか?」

「たしかにそうね。私はアレア、で金髪のほうがカグラよ。」

 黒髪がアレア、金髪がカグラ……普通逆じゃないかと思ったが口には出さないでおいた。

「なるほど。俺の名前は二人は知ってますよね。……で、どういう世界を救えばいいんですか?」

 いきなり断ると失礼かなとも思い、一応聞いてみた。

 アレアが説明をする。

「魔王レベルSSの世界、グランディア―ルと言う世界よ。そこの世界自体は今は平和。そして危機が訪れるのは18年後。魔法だったり錬金術が使える世界だわ。」

「今平和なら別に今すぐ行かなくてもいいんじゃないですか?それに今すぐじゃなくていいなら俺以外にもいるだろうし。」

 俺はとりあえず面倒くさいことに巻き込まれるのは嫌だったので元の世界に戻して貰う予定だった。

「それはできないわ。私達ができるのは貴方自身を世界に送り込むわけではなくて貴方の魂・記憶・技術・知識をあちらの世界の新しく生まれる子供に送り込むことしかできないから、今から行ってもらわないと行けない。」

 カグラはそういった。

「んじゃ断るっていうのは?」

「出来るけど死んじゃうわね。そして輪廻転生の輪に入る。」

アレアにそう言われて鏡のようなものの画面をもう一度見る。たしかにこのままだと、打ちどころ悪くて死んじゃうことも有り得そうだ。

「仮に受けたとして、向こうの世界で死んでしまったら?どうなるの?」

「1回きりだけど私達の力で生き返らせることが出来る。使い切ると死んじゃうわね。」

 あっさりとカグラが言う。

「待った。それって俺にメリットなんもないよね?」

 俺は完全にメリットがないと気づいた。が、死ぬことも決まっているため正直どうしようもできないことも気づいていた。

「メリットならあるわ。無事魔王を殺した時、貴方の願いを一つ叶えて時間を少し戻して元の世界に戻すことになる。」

 デメリットも大きいけどメリットも大きいのか。

「んじゃー……例えば人気VtuberとかYoutuberとして活動できるようにとかっていう願いは叶うんですか?」

 俺はみんなを笑顔にして稼ぎたいと思っていたため、流行っていたVtuberになりたいと頭の片隅で思っていた。

「普通みんなお金持ちとかが希望なんだけど……まぁ出来るわ。んじゃ受けてもらえるのね?」

 アレアが確認するかのように聞く

「いや、受けるとは言ってない。なんか向こうの世界で役に立つようなスキルとかもらえないの?」

異世界もの定番のチートスキル等をもらえないのか一応確認しておく。

「簡単に死なないように、生まれてすぐの状態で魔王と対峙出来る位の能力はついた状態よ。後スキルは5つまでここで付与できるわ。」

 なるほど。5つか。少ないけど……まぁいいか。

 俺はうなずくとアレアを見た。

「それじゃこの中からスキルを選んで。」

 アレアは別の鏡のようなものを渡してきた。

 鏡のようなものの中に、いろんなスキルと説明が書いてある。が多すぎて探すのが大変だ。と、思っていたら右上に検索用の窓がった。それを使い異世界物でよく選ばれているスキルを探した。

「んじゃ魔法生成スキル・刀鍛冶スキル・乱数調整・無限空間収納・身体強化(勇者型)で。」

「わかったわ。それじゃ、そのスキルがついている状態で転生ね。」

 アレアは鏡を返してもらうとなにか操作をした。

 すると画面から羊皮紙が出てきた。

「ここにサインすると契約完了。そして、転生が始まるわ。」

 渡された羊皮紙を見ると、さっきの口頭で確認した項目、ステータスが乗っていた。

「なるほどー。了解。」

 しっかりと一字一句読み、おかしいところは何もなかったため、サインを書いた。すると気を失った。


現時点でのステータス(契約書の記載内容)

名前 エリク・アランド

年齢 0歳

職業 なし

HP 100000 (普通に生活していると20歳で10000位。)

スキル詳細

ソード 75 (MAX100 普通の人は30)

・5連撃

・カウンター

・受け流し

ダブルソード 79(MAX100 普通の人は0)

・10連撃

・EXカウンター

魔法 100(MAX100 普通の人は10)

・全属性魔法使用可能(火・水・風・闇・聖・雷・土)

・詠唱省略

・無限MP

刀鍛冶 30 (MAX100 普通の人5、刀鍛冶で20)

・業物制作(刀のみ)

・魔刀制作(刀のみ)

・修繕(刀のみ)

乱数調整 100(MAX100 普通の人は1~80)

新規魔法作成 30(MAX100 普通の人は0)

異空間倉庫(時間・収納量無限)

身体強化(勇者)(HP・MP・魔法スキル補正1.5倍)

SP 1000

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