再会
実花は、家に帰って、今日のことをお父さんとお母さんに話しました。すると、お父さんもお母さんもすごく喜びました。
「ついに実花にお友達ができたんだね」
お母さんがとても喜んでいたので、実花は本当のことを言えませんでした。葵とはまだお友達になっていないのですから。
でも、実花も、実花の通っている小学校では初めてのお友達が葵で、その葵とお友達になれたら、それはとてもすてきなことだと思いました。
次の日、学校に行くと、昇降口の前で誰かが、誰かを囲んでけんかをしていました。みると、葵がたくさんの男の子に囲まれていました。葵は、自分をからかう男の子に負けませんでした。葵は、自分をからかっている男の子たちの間をぬけて教室に行こうとしました。でも、すぐに男の子たちに囲まれてしまいます。
実花は、それを見過ごすことができません。葵を囲んでいる男の子たちの近くに行くと、大きな声で、こう言いました。
「女の子一人を大勢で囲んで、はずかしくないの? この弱虫!」
すると、男の子はみんな、実花のほうを見ました。怒っています。
「おまえ、よく見ればとなりのクラスのリンゴむすめだったな」
男の子たちは、実花を笑いました。
「おまえみたいな変なやつなら、こいつとお似合いかもな」
男の子たちは、そう言いながら笑ってどこかへ行ってしまいました。
実花は、思いがけないところで葵と再会することができました。
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