第13話

さーて、どーしよーか。


「その防御魔術でぇどぉにかなるとでもぉ?」


突如、魔法陣から強力なレーザーが飛んでくる。


なんとか、オレとアリスはかわす。


あれは絶対にやばい。


地面融解してるし。


魔術って連続して発動できるのかなぁ。


あ、魔法陣から100本くらいの氷の剣が飛んでくる。


連発できるらしいね、魔術。


落とせるものは剣で落とし、落とせなかったものは防御魔法陣で防ぐ。


防御魔法陣が砕け散る。


「へぇ、下位の防御魔術もそんなに持つんだ。まぁいっか。次で終わりよ……最上位攻撃魔術……メテオ」


メテオ……隕石じゃん。


上からあぁ、降ってきたわ。100発くらい隕石が降ってきたわ。


いつの間にか上空に魔法陣が展開していて、そこから隕石が召喚されている。


これぇ、帝国が終わるぞ。


「あの……レティシアちゃん、これはまずいよ」


「分かってますよ……」


なんか手は無いかな……何か……


……前、彼女が言ってたっけ。


「死んだ人の魂はしばらくこの世界に残るから有なんだけど役目を終えたその魂の入れ物は無に帰る」


って。


てことはオレは一度死んでるから今、有であり無であるわけだ。


あるかもしれない、解決策が。


「フフフフッ、ハハハッ!」


あー、やばいやばい、ついつい笑ってしまった。


簡単なことだ。



俺も、1つだけ魔術が使える。


今までオレを含めて誰も気づかなかったけどな。


「ど、どうしたの、レティシアちゃん」


アリスが言う。


「アハハ、ついに壊れちゃったか。まぁしょうがないよね、君たち、大した魔術も使えないし、剣じゃメテオは切れないしね」


「大した魔術も使えない……か。ホントにそうかな!」


「何⁈」


エリサが驚く。


「そんなハッタリが…」


「最上位魔術…… nihility's gate!」


虚無の入り口……


私がそう唱え、地面にエクスカリバーを突き刺さすと、エクスカリバーを中心としてこの街全体に紫色の魔法陣が展開する。


「馬鹿な……闇魔術の最上位ですって!」


エリサが驚く。


「すごい……」


アリスが呟く。


本来、闇魔術は死者や魔族しか使えないものだ。


でも、俺はもう死んでいる。


そして最上位なので魔力の消費が多い。


それはエクスカリバーの魔力を使えばどうにかなる。


メテオが次々と消えてゆく。


この魔法陣は上空のものを全て無に返す。


ただし、この魔術には欠点がある。


「あ、髪が……」


この魔術は代償として私のナニカが無に帰る。


今回は髪の色素が抜けたらしい。


「……なるほど、それがレティシアちゃんの切り札ってワケか。

じゃあ、何回その魔術が出せるか確かめてみよっか」


歪んだ笑みを浮かべながらエリサさんはそう言うと魔法陣の1つから再び強力なレーザーを発射した。



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