第11話
目の前には着物を着た美しい銀髪の少女が立っていた。
彼女の後ろから朝日が差し込んでいて、銀髪が光り輝きもはや神々しさすら感じる。
「君も……どうせ私を否定する」
彼女はそう呟いた。
ずいぶんと暗い朝だ。
身体を起こして、窓を覗く。
今日は曇りのようだ。
居間に行く。
はぁ、曇りってなんか嫌だな。
「エリサさん、おはようございます。
「あ、レティシアちゃんおはようございます」
私はパンを食べながらボーッとしていると家のドアがノックされる。
エリサさんのお知り合いの方でしょうか?
エリサさんがドアを開けると金髪の少女が立っていた。
うーーん……どこかで見覚えがあるなぁこの子。
あっ、昨日助けた子か。
んー、お礼かな?
要らないんだけど……
「あのー……私もお二人のパーティーに入りたいのですけど……よろしいですか?」
なるほど……そうきましたか。
味方が増えるのは良いことだから良いんじゃない?
「私は構いませんよ。エリサさんは?」
「えぇ、私も別に良いと思いますよ」
この後、エリサさんの家に彼女を入れて彼女について色々聞いた。
彼女の名前はアリス、17歳。
下級貴族の家に生まれたらしい。
昨日、助けたオレ達に憧れ、冒険者になったらしい。
下級とは言え貴族なんて良いなぁと思っていた一般人のオレだが
「貴族と言っても私の家くらいだと、むしろ税金のせいでそこらの商人の方がお金を持っていますよ。上級貴族なら色々免除とかあるんですけどね〜」
はぇぇ、貴族も色々あるんすね。
まぁ、私は一生分からない辛さでしょう。
「にしても、レティシアちゃん可愛いですねー。ほら、こんなにほっぺたももちもちだし」
おいこらアリス、人の頬を伸ばすな。
「13歳とは思えない小ささだし」
そして人をまるで抱き枕のように抱きつくなし。
「でも、その割にはどこか大人びてるんですよね」
ん?エリサさん、疑ってます?
ワタシ、13歳デスヨ。
「そんなことないですよー。じゃ、じゃあ、せっかくアリスさんも加わったことですし……さっそく適当な依頼でも受けましょうよ〜」
オレの正体バレないよね?
大丈夫だよね?
「そうですね……アリスさんの実力も知りたいですし」
「いや、私、大した実力はありませんよ……まあでもお二人の動きを参考にしたいので行きます」
いや、そんなに強くないですよ。我々。
「じゃ、行きますか」
ふう、なんとか誤魔化した。
誤魔化したのか?
……うん。考えるのやーめた。
私たちはギルドに着いた。
掲示板に貼り付けられている依頼の紙を見る。
さーて、良いのがあるかな?
「お二人さん、お二人さん、良い感じの依頼ありますよ!」
おー、アリスさんナイス〜。
「どれですかー」
「これです」
エリサさんとオレはアリスさんの指差した依頼を見る。
何々、古龍の討伐?
……古龍ってそんなに弱いの?
どー考えても私たちが挑んだら死ぬでしょ。
まー、一応、弱い可能性もあるかもしれないのでエリサさんに聞きますか。
「エリサさん、エリサさん、古龍って我々でも倒せますかね?」
「まぁ……無理だと思いますよ」
ですよねー。
「えー、お二人共なら絶対いけますよー」
アリス、お前は何を言っている?
「だって、レティシアちゃんは選定の剣を持ってるし、エリサさんは大魔術師並の魔力を感じますし」
へぇ……この剣、この世界でも選定の剣なんだ。面倒なことになりそうだな。
それはそうとして
「エリサさん、どう言うことですか?」
エリサさんは魔術が大して使えないはず。
この世界では魔力されあればどんな魔術でも使える。
上位魔術を使える人が少ないのは、上位魔術は魔力をアホほど使うから。
だからこそ、おかしい。
エリサさんは何かを隠してる。
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