第10話

さて、1体目のゴブリンを静かに倒したおかげで増援は来なかった。


さて、奥に進みますか。


エリサさんに手信号で奥に行くことを知らせる。


エリサさんがうなずいた。


洞窟の天井から滴が落ちてきて、オレの髪を濡らす。



何かが喋っているような声が聞こえるが何を言っているか分からない。


その声が聞こえる方に行くと一気に道が開て、奥の方にはゴブリンが4体、奥の方に手を縄で縛られた人間の少女が居た。


恐らく、あの少女があの男の娘なのだろう。


まずは1体を、確実に落とそう。


オレはゴブリンに力で勝てない。


オレは例の剣を片手で握る。


ならば……機動力で勝ち取る。


片手剣だと火力が劣るので一撃目は突きでいこう。


右手の剣を自分の肩の上で構え……一番近くのゴブリン目掛けて突撃。


ゴブリンは油断をしていたのか、オレが1mくらいの近さにいたのに気がつかなかった。


そのまま、心臓目掛けてエクスカリバーを突き刺す。


ゴブリンに突き刺さった剣を抜くとゴブリンの身体から血が吹き出す。


その血が私にかかり、私の髪が真紅に染る。


他の3体が慌てて斧を構える。


1体のゴブリンがオレに斧を振り下ろす。


私はエクスカリバーで迎撃。


鈍い金属音が洞窟の中に響き渡る。


いったん剣を斧から離して後ろに下がる。


支えを失った斧は地面に落ち、突き刺さる。


バカ力で斧を地面に叩きつけたものだから斧が抜けなくなる。


剣を中段に構え、再び突撃、3連続の剣撃で敵の斧を引き抜こうとしているゴブリンを切り刻む。


これで後、2体。


2体のゴブリンがオレの後ろから奇襲を仕掛け、無防備なオレの背中に斧を振り下ろす。


そんな時


「プロテクト!」


エリサさんがそう唱えると、オレの背中の手前に魔法陣が展開され、その魔法陣が2丁の斧を受け止める。


その隙にオレは逆にゴブリン達の背後に回り込む。


下位防御魔術、プロテクト。


ナイスアシスト、エリサさん。


下位魔術なのでそこまで持たず直ぐに消えてしまったが十分。


何もない空間に斧を振り下ろしている2体のゴブリンの首を跳ねる。


戦闘終了。


オレはエクスカリバーで少女の腕の縄を切り、オレは剣を鞘に納める。


「あ、あの……助けていただきありがとうございます」


その少女はお礼を言う。


「……怪我とかない?」


見た感じはないけど一応聞く。


「はい、大丈夫です」


ふぅ、安心。


「エリサさん、防御魔術、とても良いタイミングでした。ありがとうございます」


「いえ、私はただ出来ることをしただけですよ」


オレ達は少女を男の元に送り、家に帰った。

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