第6話 ある青年の話
考えながら村をふらふらと歩いていると不良のような青年が居た
こいつも反逆者?
正直こいつが楽園に行けたようには思えない
だけど反逆者と言うことはその条件を満たしていたはず
楽園が楽しくなかったのか?
それとも別の理由が?
少しヤケになった自分は怖そうな不良のような青年に話しかけていた
俺?俺は楽園には行ってねーよ
なんでって……母さんを捨ててそんなとこに行けなかったんだよ
母さんは体が弱いんだ
長時間の外出とかできねぇし家事するだけで一苦労
前までは俺の父親が世話してたんだが
あいつは俺と母さんを見捨てて楽園に行っちまった
だからもう母さんの世話できるやつが俺しかいねーんだよ
一人じゃ何もできねぇ母さん見捨てるなんて俺には無理だ
だから絶対あいつみたいに楽園になんか行くもんかって思ってたんだよ
なのに母さんの世話するからどんどん翼は輝いて金色になって
そんで楽園に行くの拒否してたら見ての通り反逆者だ
まあ完全に反逆者になる前にこの村のことを知ったからどうにかここに来れたんだがな
当然母さんもこの村に居るぜ
置いてくはずねぇだろ
体調いいときにゆっくり移動していって
山ん中はこの村のやつに担いでってもらったんだよ
雪山の奥だし最初は体調崩すことも多かったけど今は元気だよ
なぁ
お前は母さん見捨てて楽園に行ったあいつの方が正しいと思うか?
人を見捨てることは正しくないに決まっている
けれどそれで反逆者になる?
それは……そんなことが……
もうわからない
正しいことがわからない
どうすればいいのかわからない
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