チキン

 庭の隅でしゃがんだ彼女の足元には、ピチピチと愛らしい鳴きながら小さな複数の嘴がハンカチの上のクッキーをせっせと啄んでいる。


「君のおやつに作ったんだけどなぁ」

「……一個だけ落としてもたねん」


 夕食は珍しく和風だった。つくねを醤油ベースの甘辛いソースで絡めて食べる。かじる時は柔らかいが、咀嚼するとコリコリと少し固い食感。軟骨入りなのか。


「美味しい」

「それは良かった」


 小さい鳥だったからね、調理も簡単だったよ。

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