第13話長いな…

拳に吹き飛ばされ地面と熱烈なキスをしかけた、そんな少し後。

「ムカついたから殴ったけれど、さーいえっさーってあのタイミングで言ったらもう殴られてもいい、という意思表示よね?」

「人をぶん殴ってからその確認する?遅くない?」

「いいじゃない、もう殴っちゃったんだから」

「それをいいか悪いか決めるのはあなたじゃなくて俺じゃない?」

「知らないわよそんなの、ムカついたんだから仕方ないじゃない…」

その顔は少し申し訳なさそう、にはしておらずどこかスッキリと爽やかな顔をしていた。

人ぶん殴ってスッキリとかヤベェやつだなこの人…暴力がストレス発散のタイプか快楽になるかの2択だな…ヤベェな。

「ねえ、まだ殴られたりないなら素直にそういえばいいじゃないの、いつでも殴れるわよ?」

「そんなこと言ってねぇよ、大丈夫だよ間に合ってるよ、なんでキョトンとしてる訳?残念そうにするな」

拳を引いてら、なんだコイツ…

しょぼしょぼと残念そうな顔、これはやばいね。

「で、結局俺が呼ばれた、というか声をかけられたわけは?」

「その話なら家でするって言ったじゃない、こんなところでできる話じゃないのよ」

えっ、それって…もしかして…ドキドキ、ドキドキ。

「今一瞬でも告白される?!とか思ってたら殴るだけじゃ済まさないわよ」

えっ、それってもしかして…家で〆られる?俺?明日拝めないパターン?何をした俺?

バキバキ、ボカスカ

めっちゃ拳が飛んできた。オマケに全部クリティカルヒット、痛い超痛い。

「そんな女子に耐性のないやつを勘違いさせるようなことするなよ、こういうタイプのやつはすぐ勘違いして勝手に舞い上がって周りと当事者本人に迷惑かけるんだから、ちゃんと学習してくれ?」

「なんで偉そうなのよ…普通に話があるの、そういう甘い感じの話ではなくて、ね」

さて、この人の、志鶴の家に着くまでに俺は何回殴られるでしょうか。

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