第11話あー、うん。えー?

授業が終わり気まづさを丸投げし逃げたまま1日は難なく終わりを迎えつつ、放課後へ。

と、言ったところで部活に入っているわけでも友達がいる訳でもない四季にとって特別でもなんでもない日常の中のままだった。

「ねえ、ちょっといいかしら」

「あえ?」

そんな日常に非日常が降りてきた。

「何よ、その反応、なにか都合でも悪いの?」

少し威圧的なまま、というよりムスッとしたまま目の前の席にドカッと座る。

いやー、その言い方で話しかけられた時はだいたい

「あなたの目線が気持ち悪いのよ、二度とこっちにそんな腐ったもの向けないで」とか「あなたの存在があるだけで空気が濁るから学校に来ないで貰ってもいいかしら?」とか「気持ち悪い死ねボケが」とかそういう言葉を言うときでは?もはや前口上ですらある。ツラいな、最近言われなかったからもうないものとして扱われてたとばかり思って安心していたよ…

「ねえ、聞いてるの?ねえってば」

あ、まずいなにもきいてなかったどうしようこれでなにもこたえなかったら「耳ねぇのかテメェ」とか言われるし「それな!」とか言えば「喋んな砂利が」とか言われるし「ごめん聞いてなかった」なんて言った日には拳が飛んでくるかもしれない。やばいどうしよう。

まさにこの間脳内での思考速度0.03秒。

「あー、うん。あー。」

それだけの早口で考えた結果、処理落ちした低スペックパソコンのような雑な回答がそのまま口から出た。

アッ。オワッタ。

その時四季は学校生活の終焉を覚悟すらした。

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