第4話 クラスの始まり
知り合いがいないことから始まった
高校生活最後のクラスで授業の開幕
担任の早田先生から
いきなり仲のいい人と2人1組で組んで下さいとの
指示が出た………
(仲のいい人って…なに?
その辺の基準がわからん……)
激しい戸惑いを心の中で押えつつ
辺りを見回すと
(まぁ案の定グループは出来てるよね
もう三年目だもんねそりゃね
仲良い人くらい同じクラスでいるよね
ヤバイ…置いてかれたぁっはっはっ……)
決して声に出さないように
心にしっかりと止めつつあることを考える
「そう、このクラスは全員で40人
すなわち偶数なわけだから余るなんてことは無い!
よし、余った人と組もう
こんな僕と組むなんてすごく申し訳ないけれど
仕方ない……余ってたんだもん」
残念ながら声に出ていた
聞かれることは無かったけれどね
3年生になってもグループ分けで余る人は
やっぱりいるらしくその人と組むことになった
まぁそこまではよかった
無事に人と組めたのだから、文句はない、てか言えない
でも言いたかった
なんでやねん、どうしてそうなるかね……
ラノベじゃねんだからよ
どうした余ってんのが女子なのかなぁ…
と、いうことがあった
どういう事かというと
月崎 四季と組むことになったのが
女子だった
どうやら2人1組で組んで職場体験に行くらしい
そのメンバーが四季と余っていた女子
という名前の人だった。
以上。
テンションが滅茶苦茶になりながらも
声に出さないように必死に押えたので
誰かに聞かれることは無かった
顔を上げ辺りを見回すと各々体験場所を決めたり
当日の行き方、集合時間などを決めていた
今回の職場体験は一つの職場に
三日間、実際に職場の手伝いをしたり
仕事内容を見たり人に聞いたりして
将来の自分の職や目的に役立てたり
仕事を目指すきっかけにするために行われる
「初めまして、君が月崎君だな。
今回同じ班になった坂原 志鶴だ、
どうかよろしく頼む。」
「あ、うん、よろしくお願いします
月崎 四季です。」
「早速だが、私たちの見学先を決めたい
どこか行きたいところはあるか?
なければ私が決めてしまうが。」
「うーん…
特にこれといって決めてる訳じゃないので
ここに行きたい!というところは無いですね。」
「そうか、なら私が決めてしまっても
問題は無いな
ところで、なぜ敬語なんだ?
私たちは同い年じゃないか。」
「え、あぁ…初対面の人には
なりふり構わず敬語を使っちゃう癖があって…」
「分からなくもないけど気持ち悪いな
同学年から敬語を使われるのは
普通にタメ口で頼む、ついでに
苗字で呼ばれるのも違和感だ
是非とも志鶴と呼び捨てにしてくれ
折角同じ班なのだからそれで頼む。」
「いやめっさ喋るなこの人…」
(わかった、名前で呼ぶよ)
「おい、お前 言ってることと心の声が
逆になってるぞ、地味に失礼だろう?」
「oh......いや、色々混乱してな
つい取り乱した、わるかった今のナシで頼む。」
「まぁ、いいだろう
人は誰でも間違えるからな 仕方ない。」
「なぁ、し、志鶴
気になったから聞いていいか?」
「別に構わないが なんだ?」
「なんでそんな上からなのと
偉そうな喋り方をしてる?
あぁ、別にそれが癇に障るとかじゃないんだ
単純に気になったから聞いた
特に意味は無いんだ 気にするなよ?」
「この話し方か…確かにそうだな
他にこんな話し方をするやつはいないな…」
志鶴はそう言って少し悲しそうに窓の外を見た
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