第3話 春の日


彼、月崎四季つきさきしき

家から徒歩20分で着く高校へ通っている


もう何十何百と通った道で

もしかしたら目を瞑ってでも学校に行けるのではないか


なんて、そんなことは出来ないのだが


春休みが開け今日から3年生

高校生活も終わりが少しずつ近づいて来る最後の春


彼は下駄箱に着いて愕然とした

年に1回のクラス替えの発表がされているのだが

同じクラスに知っている人が全くいなかった


そもそも友達なんてロクにいないのだから

別にどうなろうが関係無いはずなのに

今回は事情が違った

「知っている人すらいない……だとぅ……」

今までなら、友達こそ居なくとも

体育でのペアや授業の発表の時、遠足や

見学会などで一緒になってくれる

人達はいたので問題はなかったのだが


今回に限っては、そういう人が誰もいなかった

「oh......オ…マイガー…そんなバナナ………」

(うんぐぉあぁ何でやぁなんでなんやぁそんな馬鹿なことあるんかどうしてそんなことがええぇぇぇぇぇいや困る

普通に困るぞそれどうしよええええ、うーん

友達を作るしかないのかな…)


「いやでも、今更できんのかな…まさかそんな

ラノベの主人公じゃあるまいし………

もしかしたらあるかも?いや、ないな」


彼は同様のあまり心の声と独り言が激しくなった

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