Ally-29:既出なる★ARAI(あるいは、DNCって/小粋なBABY知ってるかい?)
場は何故か、戦場のような様態を呈してくるようであり……ッ!!
暗き地の底にて、唐突にジョリーヌさんたる巨人族の末裔のような人から、「勝負」なるものを仕掛けられた僕らであったけれど、
まったくもって何でか分からない……なぜ勝負をしなければならないかということも、なぜその勝負に負けたら僕の身柄を差し出さなければならないかということも……
傍観者のようで実は当事者、というような、ありがちな
「お、おうおらぃッ!! なちょこっ? そん『でぷぎおうくりさんてぇも』ばたるもんごつはァッ!? わ、わか、分かるようとばに説明すんだじゃきぃっ!!」
場を仕切るのはいつも、ブレない御大の斬り込み踏み
そんな事を考えている場合じゃあない。
「ぬこっこっこっこっこぉ、ぃよくぞ聞いてくれたのわねぃ……今からやるところの『D★G★K』とは……ッ、『己のダメだったエピソードを猛る魂がままにさらけ吐き出し、世間の評価によって数値化されたそれを電流へと変換して、相手の菊一文字目掛け撃ち放ち合って雌雄を決する』という、極めて正統なるッ、魂の殴り合いなのであ~るッ!!」
尋常じゃない見た目の人が、尋常を一ミリも感じさせないような言葉を大上段から振りかぶりざまにがんがす打ち降ろしてくるよ怖いよ……そして何と言うか固有名詞の略し方がどなたかに酷似しているよそれも怖いよ……
しかして。狂気に満ちた説明の中でも最も引っかかったのはやはり「電流」の一語であり。今までは
刹那だった。
「フ……聞いたことがある」
場に居合わせた面々誰もが、どう
し、知っちょほるのか
「……自らの胸の奥底に潜み眠る、思い出すたびに胃から何かがせり上がってしまうかのような、夜中に布団の中で目が冴えてしまうかのような、そういったキッツいキッツい過去の体験記憶……『ダメエピソード』イコール『DEP』をッ!! 自ら撃ち放ち他者と共有することで、昇華させる、魂の浄化の儀式……それが『
髪人氏が……ここにきて初めて輝きを……鈍く発し始めている……
んぬっふっふぅ~知ってんのがいるんだったら話は早いわねぇん、とのねばりつく言葉と共に、
「!!」
「……!!」
壁に掛けられた巨大なモニター、そしてその前に置かれた長方形の簡素な
「『撃ち放ち合って雌雄を』、とか言っちゃったけどぉん、今回は特別!! アンタらがた五人のうちのひとりでもが!! 『100人の評価者』たちから『75%以上』の評点を勝ち取れたのならぁ~ん? さっきのテレビを一万でお譲りしてやるっつー寸法よぉん。どよ? もぉ何かアドバンテージあげ過ぎぃぃぃ、やらない手は無い、わよのねぇん……?」
分からーん、ところが大部分ではあるものの、自分の「スピーチ」を評価される、みたいなことだろうか……と、
「フ、無論……自分がいちばん先に挑戦する。そしてそれで終わらせる。それだけのこと……」
か、髪人が格好いいことをのたまっている……てっきり三ツ輪さんの賑やかしとして登場し、そのまま
ともかく。
余裕の体で
一気に鉄火場へと引きずり込まれた我らが一行だったけれど、今はイエロウ氏の、この得体の知れない「勝負」とやらを知ってる風な体と、その自信からくるのであろう余裕の態度に任せるしかない……
どうなるッ?
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